James Shore が Kanban の記事をブログに
The Art of Agile Development の著者、James Shore が、ブログで「かんばんシステム」をあおっている。
http://jamesshore.com/Blog/Kanban-Systems.html
入門記事で、重要リンクも含まれている(ぼくの記事も!)。画像は、かんばんの基本コンセプトを絵にしたもの。左にMMF(Minimum Marketable Feature)=顧客が価値を得られる最小単位があり、それがかんばんとしてブレークダウンされて開発チームに流れている。
Mary Poppendieck が『リーンソフトウェア開発』でアジャイルとTPSの関連を指摘した時点で、この「かんばん」というTPS用語とアジャイル開発が結びついた。だが、そのときは、「ToDo/Doing/Done」などというタスクの状態管理にすぎなかった。現在、David Anderson らが中心になって定式化しているかんばんは、
「価値」(顧客の言葉で定義)を、「PULLで」(需要に従って)流し、WIP(作業中のもの=内部在庫)の量を最適化する。そして、可視化によって、そこに見えるムダを取るカイゼン活動を活性化する。
という、よりリーン生産に近いものだ。この考え方は、アジャイルというより、マイクロウォーターフォールに近い。保守フェーズに入ったシステムのように、要求を順に実装している感じ。そして、この手法はアジャイルを企業ワイドに伸ばせる可能性がある。顧客から始まり、顧客に終わるバリューストリーム(要求から配備まで)に渡って、MMFを流していく様子がかんばん化できる。さらに、WIPを設けることで、作りすぎ(下流が準備できていないものを上流がつくらない)を避け、開発チームの生産性上限(例えば週40時間)を越えないように仕事の流れをつくる。
かんばん、の新しいムーブメントに注目!
P.S. The Art of Agile Development は絶賛翻訳中!