「要求は変化する。Boehm は間違っていた、と DeMarco が暴いた。」というYourdon のブログ
Mary Poppendieck の iPod からしいれた情報より。
(SPaMCAST:http://www.spamcast.libsyn.com/ のMaryの回をチェック。)
2007年5月ICSEで、ぼくらの世代にとてっての「ソフトウェア開発の先生」たちが集まったパネルディスカッションがミネアポリスにて開催されていた。参加者は、Fred Brooks, Jr., Tom DeMarco、Barry Boehm、Linda Rising、Tim Lister, Ed Yourdon.
パネルの中で、「どうしてソフトウェア開発の人系の視点(people side)が、アジャイルという言葉で発見されるのにこんなにも時間がかかったのか。」という質問があった。すると、Tom DeMarco がマイクをつかみ、
Tom 「それは、すべて Bary Boehm の責任なんだ。」
といい始めた。Baryはここで目を丸くしたらしい。
Tom 「Barryのあの曲線、ソフトウェアの修正コスト曲線が発表されたおかげで、みんな要求をはじめにちゃんと決めないと、という洗脳にあったんだ」
Bary 「そうだ、Tomは正しい。その時代ぼくがいたドメインでは、要求を決めることができたんだ。だから要求を先に決めることは理にかなっていた。でも、80年以降は変化が大きくて、そんなことはなくなってしまった。要求は変化する。先にすべて決めるなんて無理だ。今ではみんながこの指数関数のように変更のコストが高くなる、というグラフに洗脳されてしまって、すべてを先に決めないといけない、と思っている。そして、みんなのその固定観念をを変えること自体を難しくしてしまったからだ。」
この話をしらべてみると、この件に関して同席していたEd Yourdonがブログを書いていた。BaryとWinston Royce(ウォーターフォールの元祖)との関係なんかもわかって、よい記事だった。
http://www.yourdonreport.com/index.php/2007/05/29/icse-peopleware-panel-session/
ソフトウェア開発の先輩たちが、みんなウォーターフォールを悔い改めようとしている。。。ぼくらも、いまの産業構造の中で「契約がこうだからできない」ということを言わずに、原則論から考えて、構造自体を変えて行くことをしないか?