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ソフトウェアの資産

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Softwareasset ソフトウェア開発における、資産とはなんだろう?単純に考えると、「ソースコード」というソフトウェア設計図そのものを中心に、それを開発するためのドキュメント、テスト、ユーザマニュアルなどを考えがちだ。人は、これらのまわりで、これらを作り出し、メンテナンスしている。

しかし、実際は「人、一人ひとりの頭の中」も、資産だと考えないといけない。すなわち、ソースコードになっていない思考過程、ノウハウなど。。。ソフトウェア開発は、壮大な伝言ゲームであり、脳の中で情報を加工し、その情報を別の脳に伝え合って開発している。

例えば、ドキュメントがしっかり整っていれば人は交換可能だ、と考える人もいるが、ぼくはこれはナンセンスだと思う。暗黙知も含めて、頭の中にある「スティッキー」な情報はすべてをドキュメントに書き出すことはできない。聞かれれば答えられる情報すべてを、聞かれる前に紙には書けないし、「こういう場いいどうなるか」というような推論ができるのも脳の特性で、それは紙に書いた情報からはたどり着けない。

逆に、ソースコードがすっぽりなくなってしまっても、それに携わった人だけを集めて時間をかければ、同様の(あるいはさらによい)ソースコードは作り出せる。という意味では、資産は頭の中が正であり、ソースコードが副であるかもしれない。

ソフトウェア開発は「知識創造活動」であり、人の頭の中の「スティッキーナレッジ」も含めて、資産として考えないといけない。人は、資産を作るフローと考えるのでなく、ストックでもある。

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