子を持つ親として帰省した理由 〜動くべき人に道を譲る〜
昨晩、子供を茨城の自宅から埼玉の実家に連れてきた。一部、科学的根拠に乏しい情報に惑わされぬようにとネットやメールにて、再三アナウンスされている。私自身、避難指示、屋内退避から大きく離れる地域での健康に影響する被爆の可能性は皆無と思う。
今回の自身にて子供を連れ出した理由は、次の通りである。
1.揺れるという事実
茨城県も南北、東西の端で各々100キロと広い。県内ではやや都心よりと言える土浦あたりでも、強い余震は結構ある。ある人は「余震も多く、慣れた」と話すが、7歳、4歳の子供達は、余震のたびにテーブルの下や大人のそばに駆け寄り、不安がっている姿を目にしても、親としても辛い。自分自身も、多少物音がすると、大騒ぎはしないものの、はやり気になる。下の子は、妻に甘える頻度が多くなり、また、報道などテレビの映像も怖がっている。とにかく、大小問わず、揺れない環境に移りたいと考えた。
2.ライフライン
今回、私も他県にて1日の避難所生活をした。電気、ガス、水道などライフラインのありがたみを痛感した。なんとか、帰宅後も5日間は、完全に断水しており、炊事はおろかお風呂には入れなかった。炊事も食器を汚さぬように気を使うなど、小さな子供がいる家庭にて生活インフラの不安定さは、いくら冷静に、冷静にと言っても、ますます自身を不安にしていく感覚も味わった。少しずつ溜めた水でお風呂をなんとか湧かし入浴した残り1/3程度の汚れた水を洗濯に使うべきか、水を足して次回の入浴に使うべきかでギクシャクするような状況である。
3.少しでも楽しいこと
以前から、3月後半の連休には、埼玉の実家に帰省するとしていた。子供達はおじいちゃんやおばあちゃんにあえることを楽しみにしていた。子供達からすると、祖父母に甘えながら、テレビやビデオ、工作や動物園などわがまま放題がある程度叶う。今回、あまり外出もできないだろうが、それでも、少しでも楽しい生活のほうがよいだろう。無論、このような状況であるため、断水が主たる理由で、小学校は今週末まで休校、保育所も可能な限り家庭での対応をとの連絡が来ており、落ち着いた環境で家庭学習を進めればよいだろう。
震源域に近い方の被災の程度に比べれば、私たちはまだまだ恵まれているほうだろう。
前文とややずれるかもしれないが、ビジネスのオペレーションにおいても、大混乱になった際には、ラインやアイテムを制限する等一度負荷を下げる鉄則もある。被災の程度が軽いのであれば、まずは、むしろ、不用意に動かず、普段していないことはわざわざすることはない。誤解を恐れず、極論で言えば、何もしないことのほうがよいこともあるだろうと考える。
本当に、動くべき人に道を譲ることが、本当の手助けになることもあるだろう。