ソーシャルゲーム屋の目指す方向は任天堂にとって「君らのいる場所は我々はすでに4年以上前に通過しているッ」かもしれない。少しだけ。
今回のGDCの講演を任天堂とZyngaで無理矢理比較しますとこんな感じです。
お互いのターゲットも目指すものも全く違うので難しいですし、「手塚治虫」と「かきふらい(けいおん!の作者)」を比較するようなものなのんですけど、違いがですぎて面白かったです。
意図的に書きすぎた部分もあるので詳細は各ソースを見てください。
正直、岩田社長の講演は読んでても、聞いていても心が震えました。世界のトップを走り、時価総額が兆を超える会社の社長がすごく正直に業界の未来を心配していたからです。
ゲーム開発が、大型化し、職人技が無くなっていき、ハイリスクなビジネスになっていきつつあるのに、モバイルやソーシャルでは小規模なゲームが無料に近い値段でばらまかれ、ゲームの価値が低下していることに、痛烈な危惧をしているのが、読み取れました。
今回、Zyngaの講演は「43歳の女性が遊びたいゲームとは?」という内容でした。ソーシャルゲームのユーザーの中心層が43歳の女性だという衝撃的なデータがあったからです。
さて、ここで4年前の同じGDCでやっていた任天堂の講演と今回のZyngaの講演を比較してみましょう。
2007年、同じGDCでスーパーマリオやゼルダで有名な宮本茂さんのWife-o-meterという講演を行いました。趣旨は、「ヨメさんにウケるゲームを作ろう」というすごく大好きな講演です。1時間10分にわたる大プレゼンです。内容の要約は、強引にまとめるとこんな感じです。(1時間以上もある講演なのでまとめにくいですが。)
「僕はスーパーマリオやゼルダで大ヒットを飛ばしたのに、ぼくの嫁は全く僕のゲームに見向きもしなかった。そこで、「ninten dogs」「どうぶつの森」「脳トレ」を作った。だんだん嫁にウケはじめて、嫁さんの満足度のメーターも上がった。そして、DSもWiiも大ヒットした。みなさんも自分の身の回りの人を笑顔にするゲームを作ってはいかがだろう?」
という話です。日本語記事(だいぶはしょられてます):
http://www.4gamer.net/news/history/2007.03/20070310044928detail.html
4年前に宮本茂が「ヨメに受けるゲームを作れ」といい、今年のZyngaは「43歳女性にウケるゲームを作ろう」と言っている。それに共通点はあるような気もしますが、方向性は全く違いますし、ソーシャルとかはまた別なんですけど、ライトユーザーを徹底的に目指すという姿勢が似ている気がします。
バキ風に言うと、「君らのいる場所は我々はすでに4年以上前に通過しているッ」と言う事でしょうか。
ただ、任天堂は、ネットとソーシャルの考え方が、少し弱い気がします。そろそろ、多少、危険があってもソーシャルに積極的になってもいいんじゃないかと思ったりします。すれちがい通信もいいですけど、ドラクエ級にヒットしない限り、スケールするそーシャリティーはない気がします。
...またZynga Japanの山田さんに「やめて!」とか言われそう。
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