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フランス政府、Hadopiを終了か?

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サルコジ内閣時にできた3ストライク法のHadopi(Loi Creation et Internet)がいよいよ終わりを迎えそうだ。 New York Timesが報じている。

Hadopiは著作権で保護された音楽や動画などのファイルを許可なくダウンロードするのを禁止することを目的に、業界が主導となって2010年に制定された法律。いわゆる違法ダウンロード対策だ。2回警告を無視して3回目にダウンロードしたユーザーは、ISPから回線を遮断されインターネットにアクセスできなくなる。最初から反対意見が多く難航していたが政権が交代、2012年に就任したオランド大統領は当初から対策としてのHadopiに難色を示していた。

記事では、インターネット政策を担当するデジタル社会・経済大臣のペルラン氏は、スウェーデンを訪問中にインターネットアクセスを遮断することは、デジタル経済の成長を促す政策に反するという意見を述べたと伝えている。遮断ではなく単なる罰金にとどめる、組織としてのHadopiを解散して上部組織に一部の任務を吸収する、などの案が出ているようだ。

欧州諸国のなかでもインターネットへのアクセスを基本的権利と認めるフィンランドのような国がある一方でHadopiの遮断というアプローチ、さらには音楽業界の売り上げが上向いたかなどの効果をみても、しっかりとした議論がないままはじまってしまった感があった。Spotify提携により売り上げをアップさせているスウェーデンのUniversalの話を聞くと、やはり遮断ではないんだろうなと感じる。

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