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忘れられた国、ジャパン?

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年次技術イベント「ETRE 06」に参加するため、スペイン・バルセロナに来ている。

このイベント、主催が米Red Herringということもあり、ベンチャーキャピタルが多数参加している。セッションでも、投資の観点から見た要素が強く出てくる。

08102006_036初日、ベンチャーキャピタル(VC)4人がパネルとなり、世界のベンチャー投資についてディスカッションをするセッションを聞いていたのだが、話が中国で盛り上がる中、司会を務めていたAlex Vieux氏(米Red Herring会長兼CEO)が「どうして誰も日本に触れないんだ? 単一市場としては世界2位の市場なのに」と投げた。

それに対し、中国投資事情に明るいDoll Capital ManagementのDavid Chao氏(写真左)は、「日本企業は海外のVCを嫌う。外資系VCが日本で成功した事例が少ない」などの理由を挙げた。

日本は昨年、147件のIPOがあり、今年はすでにこの数を超えているとか。日本のこの2年のIPO数は「米国をはるかに上回っている」とVieux氏。そして、「バブルがおきている」と言いながらも、日本のビジネス文化に変化が起きていることを指摘した。「以前は大企業を好む体質だったが、アントレプレナーが生まれている」と評価した。

このイベントに限らず、この2、3年欧州で参加したイベントでは、お隣の中国、そしてインドの話がよく出てくる。多分、必ずといっていい頻度だ。欧州(に限らず世界)は、これまでに増して中国を意識しており、先月のイベントでは、中国にいたことがあるというスピーカーが漢字の入ったスライドを混ぜ、中国のビジネスの現状について紹介していた。

世界が注目する巨大市場中国。その隣にいるわれわれの影が薄くなっているとすれば、ちょっと残念な話だ。というようなことを考えていると、2日目にソニーの最高顧問、出井伸之氏がスピーチを行い、中国・韓国について「安倍首相に期待している」と述べた。

ETREでは、イー・アクセスの会長兼CEO、千本倖生氏も登場し、日本のベンチャーとしてこれまでの武勇伝を語った。その話はまた別の機会に。

*安倍首相の漢字ミスを訂正しました。

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