フランスの携帯電話市場、普及率80%に、MVNOも1%を占める
フランスの携帯電話に関する調査書が出た。通信分野の規制機関、Arcepが四半期毎に統計を取っているもので、今回は2006年4月ー6月期となる。
フランスの携帯電話普及率は80.3%。じわじわと上昇し、今期初めて8割台に乗ったことになる(地区別に見ると、首都パリを含むイル・ド・フランスの普及率は114.3%)。
プリペイドユーザーとポストペイドの割合はざっくり35対65。この比率はここ1年ほど大きな変化はないようだ。だがプリペイドの純増率をみると、携帯電話が良く売れる第4四半期を除いてマイナスの四半期が多く、プリペイドからポストペイドへの移行がゆっくりと起こっていると言ってよさそう。オペレータや端末ショップは、新規にポストペイドを契約するユーザー向けに携帯端末を格安で提供したり、通話やSMS割引サービスを揃えており、この効果が出てきているのだろう。SMSは安定してよく利用されており、今期フランス人は平均して毎月26.1件のSMSを送ったようだ。
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)のシェアも微増ながら増えている。現在、全ユーザーの1.46%がMVNOユーザーとなる。今年4月にフランス市場に参入したVirgin Mobileだが、大きな起爆剤となった様子でもなく。今期のMVNOユーザー数の伸び率は63.1%。前期(2006年1月ー3月期)は52%だった。
日本でも導入が間近となったナンバーポータビリティ。フランスは数年前に導入されており、そろそろ顧客の間でも認識が定着したと思われるが、ナンバーポータビリティ制度の利用者数は今四半期9万8900人。毎四半期6万~10万人がこの制度を利用してオペレータを乗り換えているようだ。
オペレータ別シェアは、この統計とは別の資料となるが、2005年3月時で1位がOrange(47.3%)、2位がSFR(35.8%)、3位がBouygues Telecom(16.9%)。3位のBouyguesはNTTドコモのiモードをフランスで提供しているオペレータ。
**フランス市場とは関係ありませんが、先日IT Mediaさんに英Vodafoneに関する記事を書きました(こちら)。日本と同じく、成熟市場とされる西欧州地区の通信分野について、動向をまとめたものです。