ApacheConで、こんな人たちに会った!
引き続きドイツのApacheConの会場からです。20日、基調講演とともにセッションが始まりました。この日は夜にレセプションがあり、カンファレンスが本格的に盛り上がってきたかんじです。基調講演では、『コンピュータの起源』と題し、ドイツの(Suseならぬ)Zuseという発明家について、そのご子息であるHorst Zuse博士が説明してくれました。Zuseという人は、絵も描けばコンピュータも作ってみるという、あくなき好奇心、探究心、そして遊び心を持った人だったようです。
会場はというと、普段メーリングリストでしか知らない人たちと実際に会える場でもあることから、あちこちで握手や笑顔が見られます。メーリングリストに参加していない私には、うらやましくもあります。それでも、私にも友達ができました! 日本からというIIJの川井さん(Webサーバ「Apache」ドキュメンテーションの日本語訳もされているそうです!)と知り合いになり、いろいろと助けてもらっています。
ここで訂正を。前回のエントリで、Apacheの由来は“patch”からと書きましたが、共同設立者のLarsさんによると、ネイティブアメリカの種族、Apacheからではないか、とのことです。Apache族は、Apache Software Foundationが哲学とするメリトクラシー(能力主義)に基づいて組織化されていたのだそうです。なるほど。
さて、会場で見かけた人をご紹介します。まずは貴重な女性Daneseさん。海外記事でよく見かける名前です。Daneseさんによると、開発者のうちに女性が占める割合は10%程度。オープンソース開発者となると2%なのだそうです。プログラマのように女性が少ない職の場合、女性は管理職クラスにいることが多い、とも。「プログラミング、勉強しようかな」「やりなさいよ!」
ご自身もプログラマ歴15年だそうですが、このところもっぱら管理職なのだそうです。机の上に座ってメールを打つ姿、かっこいい! フィンランドからドイツ入りしたそうで、バックはフィンランドで買ったというMarimekkoのもの。ドイツの後は米国に戻り、女性をテーマにしたカンファレンスでスピーチをするそうです。ちなみに、ApacheConでは、21日の基調講演で登場します。
そのDeniseさんの友人で、ASFではIncubatorのPMC会長を務めるのがNoelさん。あまりにもかばんが重そうなので、思わず中を見せてもらいました。歯磨き粉から外付けHDDまで何でもあり。「(自宅のある)米国にいるのは年に20日」といっていたけど、これが冗談に聞こえないような旅慣れた姿です。
夜遅く、パーティと平行してあちこちでBOFが開かれている中、隅っこで黙々と仕事をしていたところ、「日本人ですか?」と声をかけてくれたDamienさん。現在ロンドン在住ですが、出身はオーストラリア。日本の大学に1年間留学していたので、日本語はかなり上手でした。書きかけの私の原稿を見て、カタカナの部分をさらさらと読んでくれました。
銀行など金融に強いITコンサルティング会社に勤務しているらしく、オープンソースは顧客の要望が高くなっていることから調べ始めたばかりとのこと。「正直言って、(オープンソース開発者が)どうしてボランティアベースで(無償で)働くのか不思議だ」とポツリ。私も同じ疑問を抱くことが多いのですが、ApacheConでは多くの人が会社に勤務している人でした。会社の業務の延長線上という人もいれば、プログラミングは趣味で有給休暇をとってきた人も。その鍵をにぎるのは、コミュニティなのかな、というのが、これまでの私の印象。