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進化するフランスのADSLサービス

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前回お伝えした通り固定電話が不通になって以来、ADSLプロバイダのIP電話に完全に乗り換えることを前提に、自分のプロバイダのサービスを見ていたところ、ここ1年ほどでかなりのサービスが加わっていることに気がつきました。

062005_001まずIP電話ですが、以前書いたように国内は無料(固定電話)。留守電機能付きで、メッセージはWeb上で聞くこともできますし、電子メールでも送ってくれます(すべて無料)。TVサービスもあります(これも無料)。TVとADSLのボックスを接続すると、MTV、CNBCをはじめ60あまりのチャンネルが楽しめます(月1ユーロ程度の追加料金を払うと、CNNも観れます)。中国人の友人は、これがあるためにこのプロバイダに乗り換え、一日中中国語のTV番組を観ています。

062005_002同社は先日、ここ数日内にメディアセンター機能を加える計画も明らかにしました。このADSLボックスをTVやオーディオ機器と接続し、PCにある動画や写真などのマルチメディアファイルをリモコンで操作できるという機能です。ユーザーは同社のWebサイトから無償でこのメディアセンター用のソフトウェアをダウンロードできるようにするとのこと。ちなみに、このソフトウェアはオープンソースベースで開発したそうです。

ついでなので、フランスのブロードバンド事情に少し触れましょう。こちらはケーブルよりもADSL主体でブロードバンドの普及が進んでいます。日本の2年遅れで進行しており、主要ISP各社がADSLサービスに力を入れ始めたのは2003年。その後、一気に価格競争がおき、現在EU内で最安値といわれています。私のISPは29.99ユーロ、日本円に換算すると約3900円(速度は下り最大20Mbps)。

日本に比べると高いかもしれませんが、国内通話無料のIP電話サービス、TVサービスがあることを考えると、悪くないと思いますが、どうでしょう? 価格競争とともに、ブロードバンドの普及率も2年続けて倍増し、1割に達しようというところだと思います。3年前にきた当初は、家にPCがないという人が多かったのですが、ADSLとユーロ高で、家庭におけるPC普及も進んだような気がします。

それでも、私がフランステレコムの解約に躊躇しているのは、番号変更を連絡するのが面倒なことと、精神的な理由からです。慣れはすごいというか、怖いというべきか。

*写真は、我が家のADSLボックスの表と裏。見かけは地味だが、つぎつぎと機能が強化されている。サイズはA4より少し大きい。

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