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デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

KindleとeSlickとiPhoneで「草枕」を読む。

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Picture_3いよいよ電子書籍端末が現実的なものになってきた。アメリカではKindleがパイオニアとして市場を開拓しつつある中、Barnes&NobleはNookを発表しAppleのタブレット型Macが期待を持って語られている。Googleは自分の端末を用意する気は今のところ無いようだがその検索をベースとした圧倒的な影響力は既存の市場の期待を集めるとともに関係者を怯えさせている。電子ペーパーやAndroidOSなど技術要素に興味が行く傾向もあるが、ことの本質はビジネスモデルの構築だ。特に日本の新聞を含む出版界の停滞し閉塞し疲弊した状況を打破するには相当なパワーが要る。今後どのような展開になるのか興味あるところだ。このままだと、AmazonやAppleが日本市場も席巻しそうな勢いだが、どうだろうか?今のところ日本の出版界からは何の声も聞こえてこない。

Kindle2の国際版は英語しか読めないが、ネットの情報をもとに日本語表示ができるようにして青空文庫から草枕をXMHTLフォーマットでダウンロードしてKindleのMobipocke方式に変換した。Kindleには日本語フォントを入れてある。もう一つはアメリカのFoxit社が日本での発売を始めたeSlickだ。Kindleと同じ6”の電子ペーパーを搭載している。ソフトはLinuxにFoxit Reader (PDF対応)が実装されている。Kindleに比べると通信機能は無いし、ECサイトとの連携も無いが、その分自由度が高くPDFにさえなればどんなコンテンツもドキュメントも携帯して読むことができる。通好みのツールだ。写真は同じ草枕をA5縦にワープロソフトで整形してPDFにしたものをSDカードにコピーしたものだ。文庫本サイズの6”の電子ペーパーはこうしたコンテンツを読むのに最適だ。またeSlickはアイドックのKeyringPDFに対応しているので、パピレスなどの大手電子書籍サイトで購入したコンテンツを読むこともできる。

写真では見にくいかも知れないが、Kindleの日本語表示はあくまでも実験なので問題外だ。eSlickの画面では青空文庫のルビ付きのXHMTLファイルをPDF化しているので紙媒体の書籍とほとんど同じ感覚を実現している。最後の写真はiPhoneで青空文庫ビュアーで草枕を表示したもの。KindleがeSlickやiPhoneのような日本語表示能力を持って日本に来るのはいつになるのだろうか?

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