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法則的知識を知っておくと学習スピードが速くなるのに、なぜか軽視されている

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昨日の続きで、「文章や図を書く力を身につけるのは、外国語を学ぶことに似ている」という話題です。

似ているという理由は5項目ありました。

(1)必要な知識は難解ではないが、量が多い

(2)日常的に何度も使い続けないと上達しない

(3)単に「使い続ける」だけだと一定のレベルで頭打ちになる

(4)法則的知識を知っておくと学習スピードが速くなるのに、なぜか軽視されている

(5)現場でフィードバックをくれる人がいると上達が早い

まとめ:図解力・文章力のトレーニングは外国語のようなもの

今日はこのうちの(4)について。


(4)法則的知識を知っておくと学習スピードが速くなるのに、なぜか軽視されている

勉強しているつもりでも身につかない「頭打ち現象」を解消するためには、「知見を抽象化してフィードバックしてもらい、その感覚が分かるところまで同じタイプの経験を積む」ことが必要です。たとえば「三人称単数現在なら動詞にはsをつける」というのがその「抽象化された知見」です。そういう知見を知った上で、過去、現在、一人称、二人称、三人称とさまざまなケースで使ってみるとその感覚が身につきます。

つまり英語で言えば文法と言われるものですが、どうもこの文法というやつは人気がありません。まあ文法は学校英語での「難しくて楽しくない」ものの代表格みたいなものですし、「文法を勉強しても全然話せるようにならなかった」というガッカリ感もあるので、人気がないのも当然だとは思います。実のところ私も「文法は不要! 英語は耳から勉強すべき! 楽しく学べる英会話!」的な主張に理があると思っていた時期もありました。

ですが、実際のところは文法を勉強したほうが楽に学習できます。ネイティブが赤ちゃんの時期から母国語を覚えるのと、外国語として言葉を学ぶのとでは学ぶ方法は違って当然で、日本人が英語を学ぶなら文法をやったほうが楽です。

これが実は図解と文章についても同じことが言えるのですよ。カテゴリー・ラベル、サマリー・ラベル、入れ替え禁止、差異明示、MECE、ロジックツリー、PREP、FABE、、、等々、いろいろと「知っておくと便利な法則、手法」があります。聞いたことはありますか? ない、という方のほうが多いことでしょう。こういうものを学校の国語ではやりませんから。

いずれも、コミュニケーションやロジカルシンキング関係の書籍では紹介されています。私の本にも書いてありますので、ぜひ知って使って身につけてください。というわけでそれらをまとめて知るためのコーナーを準備中です。

伝わる書き方基本パターン・インデックス

(・・・続く)


この記事は著者の公式サイトからの転載です。

IT研修のトレノケート社に「言いたいことをサクッと図で表す技術」という研修プログラムを提供することになりました。コンテンツは開米が開発したものです。講師も6月と7月は私がやります。どうぞご利用ください。

【PDU対象】【1Day REAL】言いたいことをサクっと図で表わす技術 ~図解で説得力を高める~ | IT研修のトレノケート

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