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閉塞感の正体(2)閉塞感の深まりと、閉塞感を感じる理由

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
今日は前回に引き続き、2012年12月7日に発表しました、本年6月に実施したビジネスパーソン1,000人を対象とした意識調査の解説の2回目。今回は、閉塞感のこの2年間での深まりと、閉塞感を人々が感じる理由について見ていきましょう。

閉塞感の深まり


前回調査を行った2010年8月から今回の2012年6月までの約2年間の間には、東日本大震災やその後の原発事故などの災厄がありました。その結果、それらに引きずられる形で、経済状況はいったん回復基調だったものが鈍化してしまい、円高や欧州危機などの影響もあって、今も伸び悩んでいるのが実情です。

2010年8月の調査結果では、

heisoku_graph1.png

上記のように、37.1%が閉塞感を感じ、24.5%が閉塞感を感じない、と回答していました。そして今回の2012年6月の調査においては

stagnation01.png

上記のように、40.2%が閉塞感を感じ、20.2%が閉塞感を感じない、と回答し、閉塞感を感じる層が増え、感じない層が減る、という状況になっています。

この2年間の推移をみると、

stagnation02.png

37.1ポイントから40.2ポイントと、閉塞感を感じる層が3.1ポイント増加しています。

通常閉塞感は、広く世界や日本といった社会全体を覆う圧迫感といったものを表現する一方、個人の回りの環境から受ける印象を表現したりもするキーワードです。実は日本の代表的な辞書には記述のない言葉ではあるのですが、このような感じ方が日本企業の社内にも蔓延しているのではないか、というのが当社が人事領域を中心とした経営コンサルティングの過程で感じていた問題意識でした。結果として、引き続き閉塞感が蔓延する企業が多い様子がうかがえます。


閉塞感を感じる理由


閉塞感を感じる理由として、社員が端的にあげる理由として何があるか? 今回はあえて多肢選択式でストレートに聞いてみました。複数回答を可としています。その結果は以下のとおり。

stagnation03.png

最も大きい理由が先行きの不透明感を示す、「会社や事業の先行きが不透明だから」で55.2%となりました。見通しが立たず、目の前が曖昧模糊として、ゴールの設定がしにくい状況が垣間見えます。

続いて努力に見合う見返りが無いことを示す、「頑張ったとしても給料が上がっていく見込みがないから」が53.5%となりました。4番目には「頑張っているのに業績が上がらないから」がランクインしており、努力しても給料や業績などの見返りが期待できないことから来る、自社の経営状況や自身の経済状況に対する塞がり感が見られます。

そして、会社と本人の相互信頼の欠如を表すものとして、「会社に期待できないから」が42.3%で3位にランクイン。5番目には「会社から期待されているとは感じられないから」が29.1%で入っており、会社と本人のそれぞれが相手への信頼を喪失しかけている実態が明らかになっています。

ここまでは社員が思う、閉塞感を感じる理由でしたが、次回はどのようなメカニズムで閉塞感が生じているか、その詳細を見ていきます。


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