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人事・組織領域を専門とする、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティング担当です。人事・組織・マネジメント関連情報をお伝えします。人事やマネジメントの方々にとって、未来の組織を作り出す一助になれば大変うれしいです。

Just Do It! / いいから始めよう!

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリはtalent managementより。アメリカにおける人事の大家の一人、Jac Fitz-enzによる論考です。


Just Do It
いいから始めよう


Jacさんにとっても3/11の福島の出来事は他人事ではなかったとのこと。というのは、義理の娘さんが日本の方なのだそう。
この災害による光景はdevastation(惨状)というほかないと書かれています。


幸い娘さんはご無事だったのですが、そこで想起されたことは、


what happened to the Fukushima area is symbolic of the huge changes taking place in global economics -- changes that affect you and me.

福島で起こったことは、世界経済において発生している巨大な変革を象徴するものだともいえる―それは離れた場所にいるあなたや私をも変えていくものだ。


ということだったようです。


昨今の投資家からのニュースレターによると、2000年以降の株式市場は大きく変わっており、以前ならベルカーブをベースに説明できていたことがもはや説明不可能になっており、30万年に1日しか起こらないであろう市場の変化が、ここ10年で48日も起きているとのこと。つまり、


We are living in an era that insists on flouting all predictions.

全ての予測をあざ笑うかのような時代に生きている。


ことがわかると言います。


このように市場がより流動的になると、全ての投資の意思決定にはリスクが付きまとい、


As we face daily decisions about where to bet our limited resources, the likelihood of a poor decision is increasing.

限られた資源の配分について日々意思決定を迫られる今日、その意思決定が貧弱になる可能性は増大している。


これはファイナンスや営業、生産といった企業経営においても同様であり、その意思決定の質は会社の生命をも脅かしかねないため、


the leaders of those functions demand valid, up-to-date and relevant data with which to direct their choices.

これらの組織のリーダーたちは、意思決定にダイレクトに効くような、有効で最新、かつ関連性の高いデータを求めるようになってきている。


いろいろな会社がこのような意思決定を支える統計的なパッケージを提供しており、ここ5年ほど、それらを導入した企業の事例があらゆる書籍や雑誌記事に掲載されてきたようです。そして、


Lately, I have seen signs that HR is slowly adopting this new technology.

最近、人事が遅まきながら徐々にこれらの新しいテクノロジーを採用し始めた兆候が見えてきた。


という段階にアメリカは入ってきたようです。


Ten years ago I had never met a person who got into HR because he or she loved statistics, but lately I have met a few young people with inquisitive minds and backgrounds in statistics and economics who are joining the human resources function.

10年前には、統計学(statistics)が好きだから、という理由で人事に入ってくる人には決して会うことはなかった。しかし最近人事部門に入ってくる、知的好奇心が高く統計学や経済学のバックグラウンドを持つ若い人々に会うようになってきた。


これ自体は喜ばしいことだとはいえ、そこには新たな課題があるようです。


But now I feel like Moses -- just when I can see the promised land I find another desert to cross. The latest wasteland is negative focus.

しかし今や私は自分がモーセ(ヘブライの預言者。エジプト軍の追撃から逃れてユダヤ人を連れて逃げた民族的指導者。十戒などで有名)になった気分だ―約束の地は見えているが新たに横断しなければならない砂漠が目の前に広がっている。今立ちはだかっているのは、マイナス思考だ。


Jac氏が最近参加したパネルディスカッションでは、人事資本のマネジメントについて、統計分析の利用が増加していることがテーマとなっていたのだそうです。

そしてアプリケーションや導入事例の成功や失敗について話しており、将来についても希望が持てるいい雰囲気だったとのこと。

ところがある人がデータの誤使用については話し始めた途端に場の雰囲気が一変し、データやアプリケーションの負の面のみをあげつらう場へと変貌してしまい、当初のポジティブな議論が雲散霧消してしまったのだそう。


重要なのは、


we ought to keep our focus on the doughnut and not the hole

我々の議論の焦点を、真ん中の穴ではなく、ドーナツそのものに向けるべき


なのであって、それこそが営業やマーケティングがこのような悲観主義を取り扱ってきた方法なのだと語ります。


Jac氏は人事分野に来る前は営業に携わっていたとのことで、そこでの営業でよく言われていた言葉を思い出したそうです。


"Sure there will be misuses, but let's get back on target here. We can handle the mistakes. Let's not throw out 99 good apples because of one rotten one."

「そりゃたまには間違って使うこともあるだろう。でも初期の目的に戻ろうじゃないか。このような間違いは対処可能だ。リンゴが1個腐ってたからといって、残った99個のよいリンゴを捨てちゃダメだ。」


そしてこの思考こそが、なぜ営業とマーケティングが巨大な予算を得て、より高い成果を出しているかの良い見本だといいます。ポジティブで、恐れを知らない思考。


Nike has the right idea: "Just do it!" Don't make excuses. Go for it. The race belongs to those who cannot fail because they will not fail. We have fantastic tools in HR. If we use them, instead of asking for a seat at the table, we will own the table.

ナイキのアイデアは正しい。"Just do it!"(いいから始めよう!)。言い訳をするな。とにかくやれ。下手を打たないがゆえに負けようがないところが勝負に勝つのだ。今や人事にはファンスティックなツールが用意されている。もしこれを有効に使えば、会社にさらなる権限を求めるまでもなく、社内に対して確固たる権限を得ることが出来るだろう。


最後のseat at the tableというのは取締役会の席のことですが、超意訳(超訳?)させてもらいました。

アメリカでは人事の権限が低く、なかなか人事が取締役会に名を連ねるのは難しいという事情があります。


日本ではこのようなデータアナリティクスを人事で取り入れることはまだまだマイナーですが、ひょっとすると日本でも未来の人事は統計学や経済学のプロばかりの集団になっているかもしれませんね。

お読みいただきありがとうございました!

TGIF!





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