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ビートルズの「著作権問題回避手法」

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 またまた「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」ネタから。ビートルズのアルバムのエンジニアを務めたジェフ・エメリックによれば、「イエロー・サブマリン」(楽曲のほう)に収録されているマーチのサウンドは、スーザのマーチのレコードがぴったりするということで、使うことにしたのですが、問題となったのが著作権。

 このレコードを使用するためには著作権者の許可が必要で、さらには相応する印税を支払わなければならないのです。それを回避するためにどうしたかというと……。

 プロデューサーのジョージ・マーティンは、ジェフ・エメリックに対して、使いたいマーチのサウンドをテープにコピーさせ、テープを切り刻んで放り上げたものをつなぎ合わせたのです。使われたのは2小節分なのですが、けっきょく訴えられることはなかったので、著作権問題は「回避」できたようです。

 このエピソードに関しては、なぜ2小節分が「空いてしまった」のか、なぜそもそもブラスバンドに演奏させなかったのかなど、興味深い話がたくさんつまっているのですが、残りはぜひ本のほうをお読みください(Amazonへのリンク)。ちなみに、185ページからまるまる10ページにわたってこの1曲について語られているのです。1曲でこれかよ……。

 「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のサーカス風のサウンドが同じ手法で作られた、というのはジョージ・マーティン自身が話している、既に有名な話ですが、前作である「リボルバー」でも、同じようなことをやっていたわけですね。

 この手法、いまのテクノロジーならばやるのはもっと簡単でしょうが、著作権問題の回避はできないだろうなあ。

 それにしても、著作権の取り扱いに厳しいと言われるApple Corps.ですが、ビートルズ自身はけっこうヤバイことをやっていた、というのが面白いですね。

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