就職・転職前の予備知識 ~ 「一生同じ会社に勤めたい」人向け編
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【前置き&お断り】
今回から数回にわたって、これからキャリアを築いていく20代の読者の方々向けの話として、就職・転職をする前に、(絶対ではないにせよ)何となく知っておいてほしいことを書いていこうと思います。
社会人経験の長い方には「今さら」な話も多いと思いますので、スルーしてください。
また、テレビCM的な断りではありませんが、以下の主張はあくまで著者の個人的な見解です。ベンチャーおよび人材業界での私の経験・知見を基に書いてますので、(特に今回の内容など)偏っている点も含まれているかもしれません。また、概論を語りますので、個別に当てはまらないケースも出てくるはずです。
異論・反論等をお持ちの方は、Twitterアカウント(@YoshiNaka)宛にご意見いただけると幸いです。許諾を得た上で、適宜、私の主観フィルタで判断して追記・修正させていただきます。
【これからの話のネタ】
キャリアを歩み始めるに当たり、何となく知っておいてほしいことは次の3つです。
1. 譲れない"軸"を知っておく必要性
2. 働き方の"路線"を考えておく必要性
3. 本当に求めている"職業"を知っておく必要性
今回から3回ほど、1番目をすっ飛ばして、2番目に挙げた働き方の"路線"の話をしていきます。
1. 企業依存の人向けの話/2. 自分依存の人向けの話/3. 総論という全3回構成でお届けしていきます。
【今回のお話】
――と宣言した直後にアレですが、今回と次回伝えたい話は次の記事と大筋で同じです。
ちきりんの"社会派"で行こう!:働き方選択の将来的意味について
ちきりんさんは、「安定企業の正社員」「派遣社員やフリーター」「プロフェッショナル系の仕事や起業」という分類で話をされていますが、私は「企業に依存する生き方」(以下、企業依存)と「自分の能力・専門性に依存する生き方」(以下、自分依存)という私流の分類で考えを述べさせていただきます。
これまで転職のデメリットについて触れることが多かったわけですが、転職で痛い目に遭いがちなのは企業依存の人たちだと考えています。一方、自分依存の人は極論、何回転職しようが構いません。自分依存の人たちには独立・起業といった選択肢もありますし、能力・専門性に見合った給料になっていることが多いと思いますから。
◆企業依存とは?
企業依存とは、伝統的な日本企業での働き方のことだとお考えください。主に大企業で働くケースを想定しています。大手/歴史がある/勢いがある企業に入り、所属企業を第一とし、転職などは考えず、その会社の中でキャリアを全うする。企業に依存した生き方になります。
この生き方を選んだ時に、一番大事なのはキャリアスタート時の会社。「どの会社に入るのか」が最も大切です。企業依存で生きるのなら、就職時、もしくは30歳より前に行う最初の転職活動に全力を注いでください。
なお企業依存の場合、「会社選択の自由」はあっても「職業選択の自由」はないと考えておいた方が良いでしょう(最近は新卒採用時に職種別採用もありますが)。会社の決定に従ってさまざまな部署をジョブローテーションで経験し、「会社があなたにとって最適だと考える」職業を用意してくれます。
◆企業依存のメリット
生涯年収の期待値は、自分依存な生き方よりも多くなりがちです。大手企業などで生涯勤め上げることで、年収はある程度は順調に増えますし、継続勤務することで社会的な信頼も得られます。
◆企業依存のリスク
働き方やリスクを自分でほとんどコントロールできないことです。会社のトップが判断を間違えたり、思わぬアクシデントが起きたりすることで、会社が倒産する or 会社からリストラされることもあります。
そうして依存していた企業から叩き出されたら本当に悲惨。ある程度、年齢が行ってから温室の外に叩き出されるわけですから、コチラで紹介したように世間の荒波にもまれて辛い思いをすることになります。
希望退職を募ったとしても自分からは手を挙げないこと。最後まで食らいつくことが大切です。
◆企業依存な場合の転職
基本的に企業依存な人は転職をしない方が良いです。転職をすることで今よりも良い環境に巡り会える可能性もありますが、1回でも転職することで転職癖(≒逃げ癖)が付きかねません。何度も転職をするとズルズルと価値が下がります。できるだけ今の職場に踏みとどまることをオススメします。
企業依存で大切なのは、長期間にわたって安定している会社を選ぶこと。ただ、最初の会社を選ぶのは若いころ。その時点で会社を見抜く目を持ち合わせていない人も多いでしょうし(私自身、今でさえそれほど自信はありません)、数年先のことなんて予想できないほど変化が激しい世の中です。1~2回くらいの転職は起こり得ます。
「どうやら最初の選択を間違えたらしい」。そう感じた人は20代半ば~後半を目処に転職を考えるのも良いでしょう。転職時に持っている情報をフル活用して、キャリアを全うするまで生き残れそうな会社を探してください。「今、元気な会社」という視点で探すのは危険かもしれません。
また、企業依存の働き方をしていたつもりでも、いつの間にか自分依存の人に勝るとも劣らない能力・専門性を身に付けていることもあります。あなた、もしくはあなたの上司を含むチームに対して、ヘッドハンティングを受けることがあるかもしれません。ヘッドハンティングで請われていくのであれば、転職しても良いかもしれません。
※ くれぐれも注意してほしいのは「ヘッドハンティング」≠「スカウト」です。いわゆる転職サイトに登録して送られてくるスカウトメールはヘッドハンティングとは別物のことがほとんどです。
◆企業依存に対する私見
「企業依存」という括り方自体が私見だったりもしますが、それはさておき。
企業依存に対してネガティブに見える内容になってしまったかもしれませんが、私は決して企業依存を否定するつもりはありません。1つの会社に留まるからこそ成し遂げられる大規模なプロジェクトもあるでしょうし、長年の実績によって初めて得られる評価というものもあります。企業"依存"と言うと表現が悪いわけですが、企業へのロイヤリティが高い生き方。そんな生き方も素敵だと思います。
また、企業依存な生き方はしがらみや上司からの指示による日々のストレスはすごいかもしれませんが、長期的な視点で考えると自分依存の生き方よりも気楽なのではないでしょうか。「会社がどうなるだろうか?」と気にする人が居るかもしれませんが、多少の業績悪化では会社は潰れそうで潰れないもの(だと思います)。
「大企業で大きなプロジェクトにかかわり、社会に対して大きなインパクトを与えたい」「仕事よりも趣味・家庭を大事にしたい」という人には、企業依存な生き方がオススメです。
※ 次回は自分依存な人のキャリアに関して考えるところを書いていきます。そして次々回では、なんでこんな話をしているのか、というそもそもの話を取り上げる予定です。しばらくつまらないネタが続くかもしれませんが、今回のシリーズ?を超えた後、自身の経験+業界の裏側を知る者として実用的な転職ノウハウを記していくつもりです。
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今回から数回にわたって、これからキャリアを築いていく20代の読者の方々向けの話として、就職・転職をする前に、(絶対ではないにせよ)何となく知っておいてほしいことを書いていこうと思います。
社会人経験の長い方には「今さら」な話も多いと思いますので、スルーしてください。
また、テレビCM的な断りではありませんが、以下の主張はあくまで著者の個人的な見解です。ベンチャーおよび人材業界での私の経験・知見を基に書いてますので、(特に今回の内容など)偏っている点も含まれているかもしれません。また、概論を語りますので、個別に当てはまらないケースも出てくるはずです。
異論・反論等をお持ちの方は、Twitterアカウント(@YoshiNaka)宛にご意見いただけると幸いです。許諾を得た上で、適宜、私の主観フィルタで判断して追記・修正させていただきます。
【これからの話のネタ】
キャリアを歩み始めるに当たり、何となく知っておいてほしいことは次の3つです。
1. 譲れない"軸"を知っておく必要性
2. 働き方の"路線"を考えておく必要性
3. 本当に求めている"職業"を知っておく必要性
今回から3回ほど、1番目をすっ飛ばして、2番目に挙げた働き方の"路線"の話をしていきます。
1. 企業依存の人向けの話/2. 自分依存の人向けの話/3. 総論という全3回構成でお届けしていきます。
【今回のお話】
――と宣言した直後にアレですが、今回と次回伝えたい話は次の記事と大筋で同じです。
ちきりんの"社会派"で行こう!:働き方選択の将来的意味について
ちきりんさんは、「安定企業の正社員」「派遣社員やフリーター」「プロフェッショナル系の仕事や起業」という分類で話をされていますが、私は「企業に依存する生き方」(以下、企業依存)と「自分の能力・専門性に依存する生き方」(以下、自分依存)という私流の分類で考えを述べさせていただきます。
これまで転職のデメリットについて触れることが多かったわけですが、転職で痛い目に遭いがちなのは企業依存の人たちだと考えています。一方、自分依存の人は極論、何回転職しようが構いません。自分依存の人たちには独立・起業といった選択肢もありますし、能力・専門性に見合った給料になっていることが多いと思いますから。
◆企業依存とは?
企業依存とは、伝統的な日本企業での働き方のことだとお考えください。主に大企業で働くケースを想定しています。大手/歴史がある/勢いがある企業に入り、所属企業を第一とし、転職などは考えず、その会社の中でキャリアを全うする。企業に依存した生き方になります。
この生き方を選んだ時に、一番大事なのはキャリアスタート時の会社。「どの会社に入るのか」が最も大切です。企業依存で生きるのなら、就職時、もしくは30歳より前に行う最初の転職活動に全力を注いでください。
なお企業依存の場合、「会社選択の自由」はあっても「職業選択の自由」はないと考えておいた方が良いでしょう(最近は新卒採用時に職種別採用もありますが)。会社の決定に従ってさまざまな部署をジョブローテーションで経験し、「会社があなたにとって最適だと考える」職業を用意してくれます。
◆企業依存のメリット
生涯年収の期待値は、自分依存な生き方よりも多くなりがちです。大手企業などで生涯勤め上げることで、年収はある程度は順調に増えますし、継続勤務することで社会的な信頼も得られます。
◆企業依存のリスク
働き方やリスクを自分でほとんどコントロールできないことです。会社のトップが判断を間違えたり、思わぬアクシデントが起きたりすることで、会社が倒産する or 会社からリストラされることもあります。
そうして依存していた企業から叩き出されたら本当に悲惨。ある程度、年齢が行ってから温室の外に叩き出されるわけですから、コチラで紹介したように世間の荒波にもまれて辛い思いをすることになります。
希望退職を募ったとしても自分からは手を挙げないこと。最後まで食らいつくことが大切です。
◆企業依存な場合の転職
基本的に企業依存な人は転職をしない方が良いです。転職をすることで今よりも良い環境に巡り会える可能性もありますが、1回でも転職することで転職癖(≒逃げ癖)が付きかねません。何度も転職をするとズルズルと価値が下がります。できるだけ今の職場に踏みとどまることをオススメします。
企業依存で大切なのは、長期間にわたって安定している会社を選ぶこと。ただ、最初の会社を選ぶのは若いころ。その時点で会社を見抜く目を持ち合わせていない人も多いでしょうし(私自身、今でさえそれほど自信はありません)、数年先のことなんて予想できないほど変化が激しい世の中です。1~2回くらいの転職は起こり得ます。
「どうやら最初の選択を間違えたらしい」。そう感じた人は20代半ば~後半を目処に転職を考えるのも良いでしょう。転職時に持っている情報をフル活用して、キャリアを全うするまで生き残れそうな会社を探してください。「今、元気な会社」という視点で探すのは危険かもしれません。
また、企業依存の働き方をしていたつもりでも、いつの間にか自分依存の人に勝るとも劣らない能力・専門性を身に付けていることもあります。あなた、もしくはあなたの上司を含むチームに対して、ヘッドハンティングを受けることがあるかもしれません。ヘッドハンティングで請われていくのであれば、転職しても良いかもしれません。
※ くれぐれも注意してほしいのは「ヘッドハンティング」≠「スカウト」です。いわゆる転職サイトに登録して送られてくるスカウトメールはヘッドハンティングとは別物のことがほとんどです。
◆企業依存に対する私見
「企業依存」という括り方自体が私見だったりもしますが、それはさておき。
企業依存に対してネガティブに見える内容になってしまったかもしれませんが、私は決して企業依存を否定するつもりはありません。1つの会社に留まるからこそ成し遂げられる大規模なプロジェクトもあるでしょうし、長年の実績によって初めて得られる評価というものもあります。企業"依存"と言うと表現が悪いわけですが、企業へのロイヤリティが高い生き方。そんな生き方も素敵だと思います。
また、企業依存な生き方はしがらみや上司からの指示による日々のストレスはすごいかもしれませんが、長期的な視点で考えると自分依存の生き方よりも気楽なのではないでしょうか。「会社がどうなるだろうか?」と気にする人が居るかもしれませんが、多少の業績悪化では会社は潰れそうで潰れないもの(だと思います)。
「大企業で大きなプロジェクトにかかわり、社会に対して大きなインパクトを与えたい」「仕事よりも趣味・家庭を大事にしたい」という人には、企業依存な生き方がオススメです。
※ 次回は自分依存な人のキャリアに関して考えるところを書いていきます。そして次々回では、なんでこんな話をしているのか、というそもそもの話を取り上げる予定です。しばらくつまらないネタが続くかもしれませんが、今回のシリーズ?を超えた後、自身の経験+業界の裏側を知る者として実用的な転職ノウハウを記していくつもりです。
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