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「日本文化を外国人に語る」ということ

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かなり前に、外国人に、「日本人はどうしてモノゴトをハッキリ言わないんだ?」と聞かれたことがあります。
特に、NOやネガティブなことは言わない。仕事で「前向きに検討して連絡します」って言うから、その言葉を信じて待ってたら、いつまでも連絡が来なくて驚いたと言っていました。
 
私は、「そういう文化だから・・・」としか答えられず、歯がゆい気持ちでその場は終わりました。
 
あとから思うと、日本だとハッキリ言わないと分からない人は、「空気が読めない人」と評価される社会で、相手の意志をなんとなく感じ取ることがもはやマナーの一つになっているんだと思いました。「今日は忙しいから」と言った場合、「訪問しないでね」「メールの返信はできないよ」といったとこまで読みとる。
そこを「今日は忙しいから来ないでね」とまで言わないと分からない人は、空気がよめないヤツだと日本人同士だと思ってしまう。反対に、言う側としても、そこまで言うのはエレガントでないし、なんか野暮な人な感じがします。
 
それがグローバルの場合にいいのか悪いのかは別にして、日本はそういう文化なんだと私見を答えれば良かったと後で思いました。
 
先日の日経ビジネスの記事を読むと、アメリカ人が日本人エグゼクティブを例のごとくケチョンケチョンに評価していました。
 
「彼らは、日本にある本社の事情は良く知っている、だがそれ以外の事には驚くほど無知だ。・・・・自国の歴史や文化を正確かつ興味深く説明できず、政治や国際問題について語れないビジネスエクゼクティブなんて、日本以外の先進国では考えられないぞ。」
 
ここで言っている歴史や文化って、何なのか書いてありませんが、別に歌舞伎や浄瑠璃のストーリーや、相撲の正しいルール説明とかではないと思うのです。エグゼクティブじゃなければ、よくある日本人の行動パターンの背景、どうしてそういう行動をするのか?どうしてそう考えるのか?といった素朴な疑問に対して、私見として日本人論を語れればまずは第一歩なんじゃないかと思います。
 
ただ、私たちでは当たり前の色んな行動は無意識で行っており体に染み込んでいるから、日本にずっといると振り返るタイミングがない。そうすると、外人から素朴な疑問をぶつけられた時に、言葉で説明するのが難しい。ただ、それだけなんだと思うのです。
 
今の日本の文化や行動が、グローバルな世界にフィットしているか否かは別として、私たちはこう考えるから、こう行動しているんだっていう事を説明できればいい。それを歴史や何か文化と絡めて話せれば、よりベター。ただそれだけのことだし、そこが大きな一歩だと思います。
 
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