国内DX推進企業のデータ利活用、データ利活用の効果が高いデータの種類は? 〜IDC Japan調査から
IDC Japanは2022年12月16日、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している企業でのデータ利活用に関する「2022年 データ利活用統括者調査」の調査結果を発表しました。
今回の調査では、DXを目的としたデータ利活用を進める中で、データ利活用の効果が高いデータの種類がわかっています。
自社で取得したデータと外部組織から取得/購入したデータに分けてたずねていますが、いずれも財務や人材に関するデータが上位にあがっています。
また、外部から入手したデータでは、人やモノの位置情報/GPSデータも有用性が高いデータの一つとなっています。
出典:IDC Japan2022年 データ利活用統括者調査 2022.12.16
データ利活用における課題も明らかになっています。
「人材/スキル」では、データの運用基盤に関するスキル不足をおよそ4分の1の回答者があげています。
「経営方針/企業文化」ではリーダーシップの欠如が同様に約24%、「組織構造」ではデータ利活用現場での理解不足を約3割の回答者が課題と考えています。
本調査では、データ流通に関する取り組みをすでに実施している回答者は、購入/取得、販売/提供別のいずれも10~15%に留まっています。計画進行中を含めると約25%にまで広がり、導入検討中を加えると40~50%に達しているとしています。
データ流通の現状において、産業分野別では製造業がデータ流通を積極的に活用しており、またデータ利活用が進んでいる企業もデータ流通をすでに活用していることが明らかになっています。
今後データ流通を通じて得たいデータ種類については、人材関連やWeb/SNS、人やモノの位置情報/GPSデータに関する期待が大きく、現在データ利活用で効果が高いと考えているデータと一致しているとしています。
工場/プラントデータに対する期待も高く、ここでもデータ流通の活用に積極的な製造業の姿勢が見て取れるとしています。
IDC では、
データ流通関連サービスの認知度も総じて低く、データ流通にかかわるベンダーや事業者においては、データ流通サービスが提供する価値を認知してもらう活動が不可欠である
とコメントしているように、認知度向上に向けた取組も重要となっています。