アマゾンハンドメイド開始、Etsy真っ青、ホリデーシーズンのショッピングに影響
米国でマーケットプレイス「Handmade at Amazon」の登場です・・・手作り商品販売開始・・・
まあ 2015年のホリデーシーズンが始まりますから 良いタイミングですね・・・・
作者のプロファイル欄で手作り商品を作っている様子のフィルムや作者の顔を全面に出します・・・
アマゾンもIoT時代の働き方、消費の変化に早速対応していますねえ・・・・
UberやAirbnb、Handyなどと同じ フリーランス、ミニ企業家などの雇われない働き方です・・・
また手作り商品は個性的で 成熟社会の高次欲求 消費者の自己表現欲求に対応します。
筆者の既視感から言えば これ セカンドライフ(仮想社会サービス)のアバター用にアイテムを販売する店舗にそっくりですよ・・・^^
Ballerina Fill-In Invitation Set
<出所 Handmade at Amazon >
動画
Introducing Handmade at Amazon
https://youtu.be/TT2Z8PbBw6w
Selling with Handmade at Amazon
https://youtu.be/4yBNMzo6UIo
米国で手作り商品販売のEtsyの最大のライバルが登場です。アマゾンがアマゾン・ハンドメイドを開始しました。2015年5月に売り手の募集がなされていましたが、それが遂にサービス開始です。明らかにホリデーシーズンを狙っており、今年のクリスマスには手作り品のプレゼントが流行するかもしれません。ライバルのEtsyは大人気のサービスですが、大きな影響をうけるでしょう。全世界に販売します。
■ Etsyを潰すか?
既にIPO申請時点でEtsyは20億ドル近くの売り上げを報告しています。販売手数料3.5%であり、アマゾンの12%よりも遥かに安いレートです。150万のアクティブセラーと2170万のアクテイブ購入者います。一方アマゾンのホームメードは売り手側参加者が5000人(60か国から参加)、販売商品数が8万商品です。しかし、Amazonでの顧客数は2-3億人とEtsyの約10倍です。やっぱりアマゾンが有利でしょうか?
■ 個人の物語が反映された手作り商品
手作り商品の特徴は、顔の見えない専門システム化された大量生産品やメーカー品に比べて、個人の物語りを背負っている点でしょう。経営学では顔の見えない専門システム化やサプライチェーンを機械的組織(スーパーマーケットが典型)と呼んでいます。マクドナルド化された社会などの言い方は正に冷たい機械的組織による販売を代表しています。
一方顔が見える組織は「有機的組織」と呼ばれています。例えば物語りを持つ商品は「有機的組織」の事例です。ココ・シャネルさんが出して大ヒットした香水「チャネルの5番」は、孤児として育ったシャネルさんが住んでいた南フランスの孤児院の部屋の番号でした。このシャネルさんの「物語が消費者を感動させ」、ココ・シャネルを身近に感じさせました。同じことはステーブ・ジョブスさんのマックにも当てはまります。有名なテレビCM「1984」は、大企業に奉仕するIBMを打倒して民衆の手にコンピューターを取り戻すと言うシリコンバレーのカウンターカルチャーを意味していました。消費者はそこにジョブズ氏の生きざまを見て感動しました。
アマゾン・ホームメードにはプロファイル欄があり、製作者の顔や工房の様子を示すフィルムを入れることを推奨しています。作者の顔や物語を見せる訳ですね。自己表現を重視するIoT時代に相応しい動きです。
(先進国は人口=個体の数は減り気味な一方個々の個人の能力発揮を目一杯、重視する方向に向かっています。フィリップ・コトラーさんの言う成熟社会の高次欲求)
■ 広がる雇われない働き方、オンデマンド経済
ハンドメイド市場(趣味の手作り品市場)は個人の趣味や手作り品の販売であり、大きくはオンデマンド経済やアウトカム経済の一部と考えられています。UberやAirbnb、HANDY、タスクラビット、ポストメートなどと同じカテゴリーに属します。2008年のリーマンショック後、アメリカ人はパートタイムの職しかなく、日々の糧(かて)を稼ぐため、様々な工夫をしました。自家用車を使ったフリーランスの運転手、自宅を使った民宿、また趣味のガーデニングや掃除、片付けなどのフリーランスです。一種のミニ企業家への動きとも考えられます。趣味で続けてきた手作り商品の販売のサービスサイトEtsyはその波に乗り急成長しました。そして2015年春には上場にまでこぎつけています。
消費のライフスタイルが自己表現を重んじ、働き方も雇われない働き方が流行る中、商品も大量生産品ではなく、個性的な手作り品がミレニアル世代を中心に好まれ始めています。
さてこの波がTPPに乗って日本にも来ると良いのですが。