新型アップルテレビは枯れた技術の水平思考
枯れた技術の水平思考 ゲーム機の開発で一世を風靡した横井軍平さんの言葉ですね・・・・
決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば
<出所 アマゾン>
それを忠実に実現したのが新型アップルTVです・・・・
同じ結論に達した訳ですね・・・・・どうする任天堂・・・・
<出所 テッククランチ>
2015年9月9日に発表されたアップルテレビを見ていると「枯れた技術の水平思考」と言う言葉を思い出します。一世代前の「A8プロセッサー」、IPhoneで使い尽くした「シリ」の全面活用、LGのマジックリモコンや任天堂のWiiに似たモーションリモコンなどがそれに当たります。テレビは全てアプリの時代と言うのは既に「ロクが2千本のチャンネルアプリで実現」しています。だからよく見るとアップルテレビには新しい技術や発想はありません。寧ろ枯れた技術の水平思考で安い値段(149ドル、199ドル)を実現し、IPhone世帯には須らく購入してもらう戦略、新規のアップルTVに何時でも乗り換えてもらう戦略をとっています。それにアップルが最も得意な素晴らしい操作性が味付けされています。
折角、プライムセンス社を買いながらも、同社の技術が基になったキネクトのような大げさな身振りの未完成技術は捨てたわけですね。
これは凄い戦略です。
■ 枯れた技術の水平思考
そもそも「枯れた技術の水平思考」とは、任天堂で様々なゲーム機を開発した神様、横井軍平氏が述べた哲学です。使い古され、手に馴染んだ技術を組み合わせる事で新しいサービスを安く開発する手法です。この発想をイノベーションのヨゼフ・シュンペーターさんは「新結合」と言い、知識創造の野中郁次郎さんは「連結化」と言いました。「アイデアの作り方」では"新しい技術とは既存の知識の組み合わせ以外の何ものでもない"と述べられています。
これで日本のゲーム機の勇、任天堂は完全にアップルにお株を奪われました。
但し、アップル自体はアップルテレビで直接、稼ぐつもりはなく、従ってコンソールゲーム業界を創造的に破壊するつもりはなさそうです。
アップルテレビのポイントは枯れた技術の水平思考で素晴らしい操作性を安く実現し、IPhoneを始めとするアップルのワールド(エコシステム)を確実なものとする戦略でしょう。そこに第三社が開発する多数のアンシラリー機器やアプリが加わり、販売一件当たりの手数料を落とすのでアップルの懐がリスクなく潤います。