インダストリー4.0をナチスの象徴と叫ぶギリシャの脱落
我わらギリシャは先の大戦でナチスに占領された・・・今回はEUの姿をしたナチスが再びギリシャの同胞にアリのような緊縮生活をおしつけようとしてる・・・・メルケルはナチスだ!!
うん、まあ、それってISISと同じ回顧主義、原理主義では? ^^
それで国民投票に勝っちゃいました!!
<出所 フォリンポリシー >
危機の発端の2011年には既にこういう写真がでていました・・・
<出所http://www.dailymail.co.uk/ >
我々ギリシャは もう5年も耐久生活を強いられている・・・・こんなことは最早耐え難い!!
25%もGDPが減っています・・・・うーむ
<出所 ビジネスインサイダー>
彼らはどっちに投票 したのでしょうか・・・・年金生活者の皆さんです・・・・
<出所 ニューヨークタイムス>
2015年7月5日、国がデフォルト状態のギリシャ国民が国民投票でEUからの救済策(年金が減り、消費税が10%増えるなどの財政緊縮策)に対して約39%対61%で"反対"の意思を表明しました。その結果、"Grexit"と形容されるギリシャのユーロ圏からの脱落が現実的となり始めています。「ラテンのキリギリス文化のギリシャは5年も続く緊縮策=アリのような生活を更に続けるのはもう嫌だ」と言う訳です。
西欧民主主義、個人主義、自由の源流であり、バルカン半島の下に位置するギリシャの軍事的価値から米国のオバマ政権もギリシャのユーロ圏やEUへの引き留めに躍起です。
■ チプラス首相は共産主義者、しかし国民は共産主義を支持してはいない
2015年初に政権を握ったSYRIZAのチプラス首相はレーニン、エンゲルス、ゲバラの写真をオフイスに飾る急進左翼政権を率いています。そして彼らの主張は夢想的なジレッタント(芸術や学問愛好家の思想遊び)の動きと考えられています。「キリギリスのギリシャにお金を貸したアリ=EUが悪い」と言う主張です。だから今回のような国民投票と言う奇策に出ました。
しかし元々はゴールドマンサックスなどからお金を借り、リーマンショック後の混乱で支払えなくなった借金をIMFやEUが肩代わりしてもらったと言うのが事の発端です。
またギリシャには通常の2.5倍の数の八百屋や床屋などの自営業者(雇われない働き方の人々)がいます。日本でもこの点は同じようなものですが、彼らによりギリシャではGDPの6%の税金が上手く回避されています。(税金に関しては明らかに雇われる働き方の方が損です)そして当然のことながらギリシャの小さな会社も上手く税金を避けています。(関係ないですが、マイナンバー制度が本格導入されれば日本もギリシャも大変なことになりそうですね)
素直にとれば「EUの緊縮策を伴う救済策にノーと言って、もっともっと救済の条件を良くしてもらおう」と言うチプラス首相のリーダーシップを素直に国民が信じたと言う事のようです。政権の幻想にすがったわけですね。でもこれは危険なことです。「欲しがりません 勝つまでは・・・」と言ったところでしょうか?
それにドイツは驚愕しました。ギリシャからはドイツのメルケル首相らは、ナチスだと言うスローガンも聞こえてきます。
■ インダストリー4.0への拒否
さて域内での戦争根絶と言う歴史問題を解決する為、戦後世界に先駆けて国民国家を超えた国家間の連合を作り始めたEU諸国ですが、IoT革命の入り口で再度、社会変動の波にさらされています。(これはスコットランドの独立問題を抱える英国にも当てはまります。)確かにTPPのような高度な自由貿易連合を更に超えて通貨統合を含む部分的な国家連合を実現した欧州ですが、その盟主のドイツがインダストリー4.0の入り口でギリシャの脱落の悪夢に戦慄しています。
今から150年―200年の昔、産業革命の勃興と言う近代の波が押し寄せた時、極東アジアでは唯一日本だけが近代化に成功し、脱落した韓国、中国は植民地化などの憂き目にあいました。欧州がインダストリー4.0の波の入り口に立っている時、ギリシャは脱落のがけっぷち(Grexitとよばれています)にたっています。ギリシャの脱落は南欧(スペイン、ポルトガル、イタリア)にも波及し始め、既に同じようなEUからの借金の条件である財政緊縮策反対のデモが起こっています。ユーロと言うプラットフォーム、EUと呼ばれるエコシステムの安定と成長はドイツのインダストリー4.0成功の為の必須条件です。
■ インダストリー4.0に国をかけるドイツ
1936年のベルリンオリンピックでは世界に先駆けてテレビ放送を実施し、ナチス政権下では飽くまでも産業革命、科学革命を信奉し、V1号やV2号などのロケット、ジェット機を発明しました。今のインダストリー4.0の動きは類似の勢いを感じます。
ナチスの台頭時には世界で最も出来が良いとされた自由で民主的な「ワイマール共和国憲法」の一方、戦後のインフラ、世界恐慌などの後で「民主主義に絶望した何物も失うモノがない人々が大量に発生し、もろ手を挙げて民主的にナチス政権を選び」ました。
失業率25%の現在のギリシャの若者は「EUに絶望」し、失うべき何ももっていません。そうした中で「ドイツやEUの救済策はまるでナチスだ」と主張し始めています。逆に現在のギリシャはナチスドイツ台頭時の状況に似ていると言う指摘もあります。
しかし相違点は「ドイツは経済=科学革命」を追い求め、一方ギリシャはISISなどと同じように経済的革新を追いかけている訳ではない点でしょう。「私は先月17日も働いた」と言うキリギリス生活を続けるためには「インダストリー4.0でロボットに働いてもらうアリの経済の実現」が求められます。ギリシャはこのままユーロとEUから脱落し、近代の台頭時に衰退した嘗ての清国の道をたどりそうです。先進国の中でIoT革命から脱落する最初の国になるのでしょうか?
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