日本企業に欠けるQuirky + GEのアプローチ姿勢で開発したスマートエッグトレイ
重電企業のGEの家電部門が一種のクラウドソーシング企業のQuirkyと組んで様々なネットサービス型家電製品を開発しています。
その一つがスマートエッグトレイです。これは全部で14個載るトレイの上の卵をLEDの光で古いモノから知らせてくれるスマート機器です。店舗からスマートフォンで「冷蔵庫の中にあと幾つ卵が残っているのか、確認」する事も出来ます。スマートエッグトレイとWiFiネットワークの繋ぎはElectric Imp Wifi chipが担当します。
注)クアーキーは一般の人々からアイデアを募り形にするスタートアップ企業です。2009年創立。
GEは家庭の空調機の外からのオンオフもQuirky + GEのコンビで対処しています。確かに一つ一つの製品を見れば、国内の大手メーカーでも製品開発できますし、実際空調のスマートフォンによるオンオフなどはダイキンもパナソニックも実施しています。しかし問題はアプローチの仕方にあります。
ありとあらゆるモノがインターネットに繋がるモノのインターネットの時代(スマート工業社会、)には、「アイデアの半分以上が組織の外から生まれる」時代と言われています。サービス支配論理時代のアイデアの大部分はアップルの百万本のアプリを見れば明らかなように外部から生まれています。
一方従来の工業社会においては「アイデアの90%は社内」から生まれました。
Quirky + GEのコンビは外部のアイデア活用型です。
産業インターネットを提唱するGEは消費者インターネットのアップルの成功を参考にし、Quirky + GEのコンビ・アプローチを採用しました。一方国内のメーカーの姿勢は「社内のアイデアで製品開発する工業社会型のまま」です。筆者はこの姿勢の差がいずれ大きな差になると心配しています。
家電崩壊と言う授業料にも関わらず、サービス支配論理の時代、社外のアイデアを取り込む姿勢の重要性は、国内メーカーには中々理解されないようです。
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スマートエッグトレイ(Quirky + GEの共同開発)
スマートフォンで操作する空調(Quirky + GEの共同開発)
<出所:クワーキー>