やはり正しかったのか2010年の「Webの死」の予言
2010年雑誌「ワイアード」のカバーストーリーでクリスアンダーソン氏らは「Webの死」を予言しました。そしてその後のスマートフォンやタブレットの台頭を見ていると2010年の「Webの死」はどうやら正しかったようです。コムスコアとフラリーの調査結果がまとまっています。時間の86%はネイテイブアプリ、14%はブラウザーです。その結果、ブラウザーは単なるアプリの一つにすぎないと結論付けています。
オープン化や標準化をどう進めるかと言った課題はありますが、画面の小さい、CPUもパワーが無い「モノのインターネット時代」の入り口の現在、一々ブラウザーを経由させるHTML5などの方式では、重く、遅くて実際的ではありません。パソコンなどのようにブラウザーが向いている領域ならば良いのでしょうが。(実際、グーグルのクロームブックは米国で売れています。)
問題は今後ますます「画面が小さい、パワーが小さいウエアラブルスマート機器の普及」が予測される中、同時に「ソーシャルマシンやソーシャルロボットのようなスマート機器の優れた操作性、使いやすいユーザーインターフェイスが重要だ」と言う認識が同時に広まっている点です。その視座からは、ブラウザーよりもネイティブ・アプリが全般的に優れている点でしょう。既に販売されているスマートウオッチは操作性の配慮が弱い故、半年経てば4割が使われ無くなると言う調査結果もあります。
また米国の一部ではスマートテレビなど画面が大きなスマートデバイスではHTML5志向が強いと言う指摘がありますが、この点の決着は早晩出て来るアップルテレビ・セットトップボックスの成否で大きく変わると考えられます。アップルのスマートテレビ・セットトップボックスの評判が良ければグーグルのアンドロイドTV方式を家電メーカーは再度、採用するでしょう。もし失敗すればハイブリッドキャストなどの方式が主流として注目されるでしょうが。
最近ではHTML5の代わりにルビーなどを使えばWebアプリもネイティブ・アプリも効率良く作れると言う見方も次第に支持を集めており、「Webの死」はポストパソコン時代=モノのインターネット時代を象徴していると思われます。
ルビーでWebアプリもネイティブ・アプリも共に開発する時代がやって来たと言うのは非常に面白いです。
またわくわくして来ました。
<出所:ギガオム>
★★ The Web Is Dead. Long Live the Internet
★★ The decline of the mobile web
★★ The rise of mobile apps and the decline of the open web — a threat or an over-reaction?