スマート革命で難しい組み手の選定、ノキアのマイクロソフトとのアライアンスは失敗か、スマートフォン・グローバルランキング9位転落!!
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<序文>
ストラテジー・アナリティックスの調査によれば、昨年までサムソン、アップルと競っていたノキア(3位内)がグローバルな携帯電話の出荷数において2012年の第三四半期にはなんと9位に転落しました。ノキアは自社OSのシンビアンを捨ててマイクロソフトのWindowsPhoneだけに絞り込んだ開発を行っていました。しかしどうやら失敗だったと言う見方が出始めています。
ノキアの転落は、ライバルのHTCやサムスンとの競合の結果ですが、彼らはアンドロイドフォンだけではなく、2012年の秋にはWindowsPhone8も出してきています。一方ノキアはアンドロイドフォンは出さず、マイクロソフトのWindows命と言った片務型の排他的戦略をとっていました。
現時点では明らかにノキアのマイクロソフトとのアライアンスは失敗と言えそうです。では何が問題だったのでしょうか?
★★ It's A Samsung Smartphone World - We Just Live In It
★★Nokia's Partnership With Microsoft Hurts More Than It Helps
<ノキアもマイクロソフトもスピードが遅い!!>
スマート革命で求められる戦略はパソコン・インターネット時代の「バンドワゴン効果(先勝ち、オール取り)」ではなく、孫子の風林火山と言う見方があります。「動かざること山の如し、静かなること林の如し」はアップルのスマートテレビ戦略に通じます。エコシステム(生態系)が整い、生活者を満足させる事ができるサービス経験を提供できる環境になるまで「じっと待つ」と言う姿勢です。
一方スマートフォンは既に方向が決まっているので「疾き(はやき)こと風の如し、侵略すること火の如し」と言うスピード戦略が求められます。サムスンは四半期単位で矢継ぎ早に Galaxy S IIなどをどんどん出し、そのスピードはアップルさえ凌駕しました。その結果、色々な品揃えが生活者に提示され、人気を得ました。
一方ノキアは2012年初に出した、ルミア機だけがぽつんとあり、次第にスピード感が無い、古いイメージがつき始めました。そしてノキアの Windows's Phoneは3.5%の市場占有率であり、第三四半期には約540万台が販売されています。しかしアンドロイドの負け組みとされる台湾のHTCすら同時期には730万台売っています。
<マイクロソフトの理不尽な仕打ちに耐えられるかノキア>
しかしアンドロイド版を出さず、マイクロソフト命と組んだノキアにとって大きなショックなのは、 Window Phone 7.5 “Mango” がWindow Phone8にアップデート出来ない点でしょう。初期採用者は非常に勇気ある人々であり、ノキアとマイクロソフトを愛するが故に買ってくれた人々です。Window Phone8にアップデート出来ないのはWindow Phone7の初期採用者から見れば「裏切り!!」と言われても仕方がありません。そして怒りはノキアに向けられます。
また2012年のホリデーシーズン向けにはHTCやサムスンが競争で洗練されたアンドロイド機と共に洗練されたWindow Phone8も出してきました。これにはノキアは対応のいしようが無いと思えます。おまけに上澄み顧客はアップルがさらっていきます。
そう言う状況の下、もしノキアがスマートフォン(Window Phone8)の市場占有率引き上げに失敗すれば、マイクロソフトは噂の自社製品のWindow Phone8を2013年には必ず出してくると言う見方があります。実際、自らもピンチなマイクロソフトにはノキアを防衛するゆとりなどありません。
マイクロソフトもノキアも「疾き(はやき)こと風の如し、侵略すること火の如し」と言うスピード勝負でアップルだけでは無く、サムスンやHTCにも負けています。
それにしてもノキアは明らかに組み手を間違えたのかもしれません。結果は来年にも明白になるでしょう。
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