IPADも向かうアップ経済はクラウドコンピューティングの提唱したブラウザー時代を終焉させるのか!!
アプルのタブレット型電子端末のiPADの発売が米国で始まり、色々なブログや記事が出ています。筆者が非常に面白いと思うのは放送業者の情報提供に関して「CBSとABCはアップ方式で対処」とか「NBCはブラウザー方式でサファリ活用」とか接続用の操作ソフトが入り乱れている点でしょう。
どうやらIPADではブラウザーではなく、アップスの提供が重要視される方向のようです。
無論、アップスは接続操作機能だけではなく、アプリケーション機能も持っていますが。
パソコン中心のインターネットの時代にはweb2.0及びクラウドコンピューティングと言う事で「ソフトはサービスである」と叫ばれ、「ソフトをライセンスする時代は終わった」とも言われ、マイクロソフトが衰え、グーグルの時代がやってきたと言われました。
ですから国内で仮想空間のセカンドライフが批判された理由の一つに「独自のビューアーソフトは時代錯誤!!」というものがありました。
でも流石にスチーブ・ジョブスはブラウザー中心主義をいとも簡単に打破したようです。
さてこのアップ経済はパソコン上では多くの場合アップ=ソフトをサーバー上に落っことしますが、アプルのアイフォンなどのスマートフォンではクライアント側に落っことします。ある意味でアイフォーンはシンクライアントではなくリッチクライアントな訳ですね。同じことはどうやらIPADにも当てはまりそうです。
今後は当然、パソコンも汎用型のブラウザーから脱却してこの方向に向かうでしょう。
★★ CBS Announces Radio.Com App For iPad
★★ NBC Will Also Be Ready for the iPad
★★ Netflix, ABC to Release Apps for iPad Launch
果たしてソフトはライセンスでは無く、サービスとした時代は終焉したのでしょうか?
面白いのはアップスに関してはサービスと言う見方が米国では強まっています。
このアップ経済を支えるのはソーシャルゲームの雄ZYNGAなどの「仮想ギフトや仮想商品(日本で言うアイテム)の販売」更にゲームやカレンダーソフト、などのソフトウエアとしてのアップスの販売(特にアイフォンが事例)と言われていますから。
更にこの発想は音楽の一曲取引、新聞記事の一本売りや1日単位販売、テレビの番組売りなどの方向に向かい始めています。これがアップスや仮想商品(アバター用の剣やドレス)から始まったマイクロ取引の方向であると見られています。
さてアップ経済が繁茂し、同時にテレビの完全デジタル移行が進み、同時にスマートフォンや電子タブレット端末、ゲーム機、テレビやパソコンなどクライアント側におけるユビキタスコンピューティング化が進む中で、アップ経済は確実に進行しており、アップスは色々なソフトが3ドルから5ドル位で売られ、汎用ブラウザーに替わる有料のアップ経済を作り始めています。
例えばテレビの場合、欧米では電波から来るコンテンツとネットから来るコンテンツを自由にマッシュアップするのはブラウザではなく第三者開発の有料、無料のアップと言う方向で全体が動いています。
その典型例はベライゾンコミュニュケーションのファイオステレビですが、第三者が自由にアップスを開発してベライゾンストアから販売できます。
アプルのスチーブ・ジョブスはアップ経済に加担したことにより、どうやらブラウザー中心時代を破壊したようですね。いずれパソコン用のソフトもアップ経済に巻き込まれてサードパーティが安いオフィス製品を作るのかも。(実際、この方向ですよね。)
テレビの完全デジタル移行、紙の電子化とインターネットの第二の波が一体化する中で広告モデルのグーグルが切り開いた第一段階のクラウド時代は終焉し、第二段階が始まろうとしています。
グーグルを超える非広告モデル=マイクロ取引、マイクロファイナスに見られるアップ経済の時代が始まりました。