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経済性、効率性から逆行するマーラーの交響曲第3番

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今年は、マーラー没後100年。そのためか、多くのオーケストラがマーラーを取り上げている。当オケ(オーケストラのこと、念のため)においても、昨年よりマーラープログラムを企画し、その実現に向けて準備してきた。

重厚長大が好きな当オケとしては、数多くマーラーを演奏し、これまでにも、1番、5番、6番、7番、9番、10番(全曲)に加え、交響詩〈葬礼〉を演奏してきた。つまりは、声楽のない交響曲は全部やったのだ。

ということで、没後100年という節目には、ぜひ声楽付きをやりたいと、交響曲 第3番が候補にあがったわけだ。

とはいえ、団員の出費という限られた予算で運営しているアマチュアオーケストラとしては、合唱やソリストが加わり、団員だけではまかないきれない大編成の曲を演奏するには、コスト面をクリアしなければならない。何しろ、マラ3(マーラーの交響曲 第3番のこと、念のため)は、8番のような超大所帯(通称「千人の交響曲」といわれていますが)ではないものの、女性歌手、女性合唱、児童合唱が加わる。管楽器の編成も大きく、これに対抗する弦楽器も大人数でなければならない。

団員有志の献身的な努力により、コスト面をはじめ、さまざまな難題をクリアし、今回の演奏会を実現することができた。そして、声楽が入った練習が先日初めて行われたわけだが、これがまたよい。

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思い起こせば、今回の演奏会のための最初の練習は、震災後、まだ計画停電が実施されている頃だった。エレベーターの使用も停止され、打楽器の搬入出ができないため、打楽器なしでの練習から始まった。でかいコントラバスも階段を使って、えっちら運んだ。

実は、マラ3の合唱登場箇所はごくわずかだ。打楽器も大掛かりなのだが、実際活躍する楽章数はかなり限られている。せっかく集めたんだから、もっと活躍回数を増やそうよ、と思ってしまいがちであるが、音楽的必然性からすると、これでよい。演奏会では、経済性や効率性を考えずに、ひたすら音楽の必然性を求めたマーラーの演出を、限られたリソースの中で再現してみせた小さな奇跡を見ることができると思う。

ちなみに、演奏会当日は、会場の節電対策も必要で、これについても団員有志による調整が欠かせない。何しろ、舞台は通常の2倍以上の人員である。楽曲はかつてギネスにも載っていたくらい長い交響曲である。あらゆる事態を想定しなければならないが、同時に、普通に演奏できることのありがたさをかみしめていくことになるはずだ。

おまけ:
演奏会は8月6日ではあるが、その後のお盆シーズンの夏季休業の留守電用に、このマラ3から拝借したBGMを作成してみた。休業中は、マラ3のBGMが聞ける。

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