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東大さつき会奨学生へのはなむけの言葉

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スピーチをする機会が多いのだが、以前は毎回内容を変えていた。
しかし、最近は、出来るだけ同じ話をするようにしている。
話す本人は「また同じ話をするのはカッコ悪いなぁ」、と躊躇することも多いのだが、聞く方は覚えちゃいない爆
そして、同じことを繰り返して話したほうが、相手に伝わる確率も高いと気が付いたからだ。

*********東大さつき会奨学生への卒業お祝い************************

ご卒業おめでとうございます。
1年前、日本が、世界がこんな状況になるとは誰もが思ってもみませんでした。今迄の当たり前の日常がひっくり返ってしまう、こういう時代に皆さんは船をこぎだすのですね。

先輩である私たちも「こういう時はこういう様に対処をしたらよいのよ」と航路を教えることはできません。

でも、私は実はそれほど皆さんのことを心配していないのです。目の前の小さな課題を一つ一つ解決してきた皆さんは、これから起こるであろう困難を同じ様に一つ一つ解決する力がついてきているからと信じているからです。

皆さんにとっては、何気ない行動だったのかもしれませんが、受かるかどうかわからなかいさつき会奨学金には応募しない、受かるかどうかわからない東大には受験しない、という選択肢もあったのです。
にもかかわらず、皆さんはチャンレジなさったのです。そして今ここにいる。その成功体験をぜひ胸に刻んでください。

さらに、東大で過ごした4年間。その4年間の知識と経験で、皆さんにこれから世界へ羽ばたくための、基礎がはぐくまれたことでしょう。
リベラルアーツや専門性の高い勉強。親元を離れて生活した経験。新しいコミュニティに飛び込んだ経験。かなわない、と心底思うような素晴らしい人との出会い。

それらすべてがこれから新しい世界は羽ばたくための糧となることでしょう。
失敗や失望も含めて、これからするであろう様々な経験は、さらにあなたを大きくします。

焦らずゆっくり経験を積んでください。そして、ご自分が経験を積むだけでなく、時にはちょっと振り向いて後輩がどう歩んでいるのが興味をもってください。
ちょっと遠くを見まわして、先輩がどういう道を歩んだかも興味をもってください。
あなたが何気なく差し伸べた手が、後輩にとってやさしく背中をひと押しすることにもなります。あなたが元気よく挑戦している姿が先輩がさらに歩を進める勇気につながります。

さつき会奨学金を通してあなたたちと出会ったことを大変うれしく思います。
皆様が、様々な出会いを通して、より成長なさることをさつき会はいつも見守り心から応援しています。

この度はご卒業おめでとうございます。

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東大女子卒業生の会「さつき会」が奨学金制度を設立するための準備委員会を立ち上げてから10年経った。
今では当たり前のように毎年卒業生を送り出しているが、設立した時は奨学金の原資となる寄付を集める自信はなかった。
「いざとなったらここにいる私たちが100万円ずつ寄付したら、なんとかなるからとにかく立ち上げよう!」と覚悟を決めたのが良かったのだなあ。

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