同じ船に乗りながらも、上手に断るビジネスノウハウ
私は出来るだけ何でもやりたい派なので断りたくない性格。しかし、それでは先に進めなくなることだってある。
****************全体会議での話から****************************
今日は同じ船に乗りながらも、上手に断るビジネスノウハウをお教えします
前回、ハイコンテクスト、ローコンテクスト文化のことをお話ししました。
英語で話すときに、困ってしまうのは、英語力の問題ではなく、こういう文化への適応度の問題であることはよくあります。
例えば・・・察する文化の日本人、あいまいな物言いをよしとする文化からすると、「断る」のは大変です。
「それは難しいですね」と婉曲に断ったつもりでも、相手によっては「難しいなら、解決するまで時間がかかるのだろうな」と思わせたりします。
それでは、ローコンテクスト文化の人々は単にNoと言って断るのが簡単なのか?
必ずしもそんなことはありません。
しかし、言葉でロジカルに断ることに長けていることは事実です。
今、私は皆さんにどんな教育がよいのか、ビジネス英語会話の教材を見ているのですが、会話を教えているというより、言葉を尽くして断る、という「姿勢」を教えているようなものだと気付かされることがあります。そして、それは「ビジネスノウハウ」でもあります。
No, I can't ではなく、I'd like to help , but...だったり
代替案を出すことだったり。
例えば、お客様から急にお願いをされた時。
多分、皆さんは、「出来ることなら願いをかなえてさしあげよう」と思ってくださることでしょう。8割がたは「ちょっと私が残業して頑張ろう」、と思ってくださることでしょう。ありがとうございます。
でも、残念ながら「難しいこと」もあります。
そういう時、是非お客様と一緒の船に乗って、お客様のゴールを目指して、自分が「出来ること」は何かを考えてほしいのです。出来ないことではなく出来ることにフォーカスするのが大事です。
・納期が短いときは、「〇〇〇まで納期をいただければできます」と対応する。
・今手掛けている△△△の優先順位を下げてよいのなら出来ます
・◇◇◇の追加料金をいただけたら可能です
・〇〇〇でよければ(作業量を減らす提案)、できます。
弊社が手掛けていないサービスの時は
・〇〇会社さんなら出来ると思います、と紹介する。
もっともこのような代替案を提示することは無意識に多くの人がやっていることと思います。シニアな方はジュニアの方にぜひ教えてください。
それでは、上司に対してはどうでしょうか?
お客さまと同じです。
しかし、お客様より上司のほうがハイコンテクスト文化状況です。
上下関係があるので、断りづらかったりしますよね。
そういう時にこそ、一緒の船に乗ってほしいと思います。
一緒の船に乗るという意味は、必ずしも、相手のために、自分がず~っとオールをこぎ続けることではありません。
上司と一緒にどこの目的地に行きたいのか、共有して、船が効率よく進む方向を考えることです。自分が出来たらそれが一番だけど、そうでないときに、どうやったら船が進むのか考えてほしいのです。
つまり、代替案を考えることですね。
お客様にしようとしていることとまったく一緒です。
When you say no to your boss, try coming up with an alternative solution.
なんて書かれている教科書もありました。
一方、依頼を出す私を含めたマネージャー陣は、代替案を受け付けるマインドセットが必要ですね。
今日は相手と同じ船に乗りながら、依頼されたことの断り方についてお教えしました。
出来ないことではなく、出来ることにフォーカスするのがコツですからね。
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英語圏文化って、同じ状況を示すのもポジティブな言い回しが多い。
それって、それだけ言葉で伝えようとするからなのではないかとも思う。