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「Twitterマーケティングをやれ!」とムチャ振りされた時に初めに考える5つのステップ

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こんにちは。TLC 秋山です。

最近はFacebookに注目が集まっている感のあるソーシャルメディアを使ったマーケティングですが、Twitterというメディアは非常に魅力的で、短期的な売り上げ貢献という意味では、Twitterの方が可能性があるのではないかと思ったりもします。

そこで、今回は、会議などで上司から「Twitterマーケティングをやれ!」とムチャ振りされた時に初めに考えた方がよい5つのことをまとめてみました。。

ホントは、何かの企画があってその実現手段としてTwitterを使うというのが正しいと思いますが、社内では往々にしてこういうことが起こりがちですので、ご参考まで。


ステップ1 Twitterで何ができるかをまず確認する

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Twitterを使ってマーケティングを行う目的は、Twitterの持つ特性によって3つに整理できます。実際はそれぞれの目的を複合的に持ったアプローチをしていくのですが、まずどういった目的で活用するかを明確にすることで、その後の戦略が決まってきます。

≪Twitterマーケティングの3つの区分≫
(1) コミュニティ・マーケティング
Twitter上に企業と消費者が触れ合える「場」を提供し、企業と消費者の関係性を強めることを目的としたマーケティング手法
  ・「中の人」とのコミュニケーション
  ・公式ハッシュタグの運営 など

(2) バイラル・マーケティング
企業の商品を消費者の言葉・行動で、紹介してもらうことを目的としたマーケティング手法
  ・Webコンテンツをツイートボタンを設置する
  ・ECサイトで購入した商品をツイートできるようにする
  ・Twitterで感想を述べるモニターキャンペーン
  ・来店者にTwitter「○○なう」 など

(3) スプレッド・マーケティング
Twitterというメディアが持つ拡散力を利用し、企業からのメッセージを拡散させ、消費者に伝えることを目的としたマーケティング手法
  ・診断結果等をTwitterでつぶやくWebコンテンツ
  ・RTキャンペーン など

社内のメンバーで、ここの認識が異なると、この後の企画が大きくブレてしまうことになりますので、しっかり話し合っておいた方がいいです。


ステップ2 Twitterアカウントを作成するかどうかを検討する

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これも大事。Twitterをマーケティングに使うと考えた場合、Twitterアカウントの作成を前提に始める方が多いのですが、自社のTwitterアカウントを作成しなくても、Twitterマーケティングは可能です。

例えば、
・自社のWebサイトにツイートボタンを用意する
・ユーザーが自分のアカウントでツイートするタイプのキャンペーンサイトを立ち上げる

なども、十分Twitterマーケティングといえます。自社のアカウントを作るメリット、デメリットを上げてみると、

≪自社アカウントを作成するときのメリット・デメリット≫
 メリット
  ・フォローしてくれたユーザーと継続的なコミュニケーションが可能
  ・アカウントのキャラクタを魅力にしたコミュニケーションが可能
  ・キャンペーン参加者をフォロワーとしてストックできるので、キャンペーンを続けるたびに規模拡大など、連続性をもった施策の展開が可能

 デメリット
  ・運用スタッフの手配・教育など運用体制の整備・コスト
  ・炎上などの運用リスクに備えた社内整備
  ・社内での否定的な意見に対する対応、社内調整

といったところでしょうか。アカウントの運営を始めると簡単にはやめられないので、必要かどうかを含めて事前に考えておきたいですね。

ステップ3 目的と、誰とつながるかを一度明確にする
3 その1、その2を踏まえたうえで、Twitterで達成する目的とを明確にします。その際には、以下の3つが決まればとりあえずはOK。実際のコンサルティングではもっと詳しいフレームワークを使いますが、↑の表のような部分が決めておきたいです。

(1)目的は?
 「新規顧客の獲得」「既存顧客のLTV(生涯顧客価値)の向上」など。この後の評価指標を作るうえでの基準になります。

(2)目的のために誰とつながるか
 (1)の目的を達成するために、Twitterで誰とコミュニケーションをとるかを考えます。これが、集客プランの基準になっていきます。ポイントは、(1)のターゲットを直接つながるだけではないという点です。「新規顧客への販売」を目的として、「既存顧客からのレコメンドを促す」を展開するというように、マーケティング上の目的とコミュニケーションの相手が異なることもありますので、そこは明確にしておいた方がいいと思います。

(3)目的達成の道筋
(1)と(2)がどのようにしてつながっているかの簡単なイメージはこの時点で明記しておきます。これが、コミュニケーションプランの基準になっていきます。


ステップ4 コミュニケーションの形(座組み)を決める

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ステップ3の「目標達成の道筋」をもう少し明確にしていきます。上の図はその簡単なイメージですが、この3つだけでも、まったく違ったコミュニケーションになります。例えば自社アカウントのフォロワーをマーケティング上の顧客に設定すると、その顧客に売り込みを行う必要が出てきます。Twitter上で売り込みを行うと、売り込まれた顧客の立場に立つといい気持ちはしません。そういったデメリットもありますので、注意が必要です。

『ソーシャルメディア調査報告書2011』の調査によると、一人ユーザーをフォローしている人は約60人という数字が発表されていますので、一人のユーザーの後ろには60人のユーザーがいるということも踏まえながら検討するといいのではないかと思います。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/09/28/10921


応用パターンとして、例えば、某生活用品メーカーでは、

企業アカウント ⇔ キャラクター ⇔ 顧客

という形で、キャラクターを通じて顧客とつながっています。キャラクター自身は商品の売り込みを行いませんが、キャラクターと顧客との関係性を通じて、企業アカウントの情報が流れるという設計になっています。

コミュニケーションの形(座組み)を工夫することで、その中でつぶやく内容も面白いものになっていきますので、座組みについて一度整理することをおすすめします。


ステップ5 初期集客導線を決める

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フォロワーをどうやって増やすかを決めていきます。
基本的な考え方は、コミュニケーションターゲットが既存顧客の場合は自社メディアからの誘導を中心に、新規顧客の場合は広告を含めた自社以外のメディアからにということでしょうか。
最悪なのは、運用だけで集客しようとすること。Twitterのアカウントもたくさんありますので、いくら面白いつぶやきをしても、誰もいない砂漠で叫んでいるようなもの。フォロワーは自然に増えるものではない、との前提で、最初のユーザーにどうやって来てもらうかは必ず考えておきたいです。


以上、ソーシャルメディアについて、個々の意見が分かれやすい部分を中心に検討の手順をまとめてみました。
軽い気持ちで書き始めたら、思わず長くなってしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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