2013年参院選への出馬を少しでも考えている方へ、今年のうちにやっておきたいネット選挙の前始末
今月の21日、自民党の安倍晋三総裁が、来夏の参院選までにインターネットを使った選挙活動を解禁すべきだとの考えを示しました。
これによって、これまでにいろいろと議論されてきた、ネット選挙(ネットをつかった選挙運動)が一気に加速しそうです。
「ネットは即時性があるから、選挙直前で準備すればいいや」と考えているとしたら、非常に危険。ネットは事前の仕込みが非常に重要。「ネットは機能し始めるのに時間がかかる」という観点から、今年のうちに最低限取組べき内容をまとめてみました。
※ これらの内容はFacebookページ「ネット選挙・ネット選挙運動 研究所」でも取り上げていきます。
はじめに考えるべき、トラブルの前始末
ネット選挙を考えるにあたって、ネット選挙が立候補者にとって、課題となる点を押さえておきましょう。
それは、
1.なりすまし
2.炎上、誹謗中傷
3.発信力の格差
という問題です。ネットでは、選挙直前になってこれらの対策をするには非常に大きなお金が必要ですが、事前に対策しておくことで、思わぬ効果を上げることができたり、トラブルを避けることができます。
ネットの施策は、半年、1年と、長い期間をかけて、定着していくことが有効ですので、2013年夏の選挙という点を考えると、こうしたネット選挙の前始末は、できれば今年中に手を付けたい内容だと思います。
「1.なりすまし」への対策
「なりすまし」とは、まったくの第三者の振る舞いが候補者ものと誤解されてしまうこと指します。これは、悪意がある場合もありますし、広い意味では、候補者と同姓同名の方のネット上での活動と混乱してしまう場合もあるのかもしれません。また、Twitterなどのアカウントが「なりすまし」にあう場合もありますし、身に覚えのないホームページが作られる場合もあります。
その結果、候補者の覚えのないメッセージが、候補者のものとして勝手に発信され、不利益を被るかもしれません。
この場合の前始末は簡単です。今の時点でとるべき対応は「わかりやすいアカウントを取得すること」「ネット上での活動をはじめること」です。実際、Twitterで「橋本徹」と検索すると、日本維新の会の橋本代表だけでなく、ほかに20件ほどの「橋本徹」さんのアカウントが表示されます。これをなりすましといってもどうしようもないですよね。正攻法でいきましょう
今のネットユーザーは、本物の情報が何か、そうでないかを選別しながら、情報に接しています。そういう意味で、ネットユーザーに、自分が本物であるということを、判断できる情報を提供することに意識を向けていくが大事です。
例えば、選挙直前に雨後の竹の子のようにでてきたアカウントを候補者のものだと特定するのは難しいですが、長い期間ネットを通じて、訴えをしているユーザーであれば、それをもとにネットユーザーは候補者だと認識してくれます。
具体的には、今年中に
・自分の名前の独自ドメインを取得する
・自分の名前のソーシャルメディアアカウント(Twitter,Facebookページ、YouTubeチャンネル など)を取得する
その後、
・選挙まで使える、写真素材を用意し、ホームページ、ブログ、ソーシャルメディアで統一した写真を使って展開する
ということを1月の段階で行えればよいかと思います。特に、アカウントの取得は、基本的に早い者勝ちですので、なるべくすぐに対応したほうがいいですね。
「2.炎上、誹謗中傷」への対策
アメリカの大統領選などを見ても、ネット選挙では対立候補のネガティブキャンペーンが展開されたり、そうでなくても「誹謗中傷」などは避けて通れないものになってきます。
ただ、これは、あまり気にする必要はありません。「これまで、陰で言われているものが、実際に見えるようになった」というくらいに考えておけばいいでしょう。企業と消費者との関係と違い、ネット選挙の場合は、自分を応援してくれる支援者もいますので、その支援者が誤った情報は打ち消してくれます。支援者が判断しやすいように、自分のホームページを使って、公式の情報を常に発信するとともに、ソーシャルメディアをうまく使い、早い段階で、支援者とつながったコミュニティを作ると効果的かと思います。
重要なのは、「自らの発信した情報情報が炎上し、足元をすくわれないこと」の方ですね。特に、ソーシャルメディアの発信の仕方、ふるまい方については、運用上のガイドラインを整備したり、きちんとした指導を受けることをお勧めします。
まとめると、今年中に
・他の政治家がソーシャルメディアをどのように活用しているかを研究してみる
・ソーシャルメディアでの支援者とのつながり方について、研究してみる
を行い、ガイドラインの整備と、ソーシャルメディアの講習を受けるというのを1月中に行うというのがよいのではないでしょうか。
「3.発信力の格差」への対策
「発信力の格差」とは、現職やタレント候補など、すでに知名度の高い候補者は、その候補者に興味を持つ人が多く、発信した情報が伝わりやすいのですが、無名候補者の場合は、いくら発信してもなかなか情報が伝わらないということがあります。これは、選挙直前では何ともしがたい部分がありますが(実際はネット広告で露出を増やさざるを得ないということになってしまいます)、今の段階ではいくつか初めておくことで有利になることがあります。
それは、
・ホームページ、ブログのSEO対策
・専門性を生かした情報発信(コンテンツマーケティング)
・聞いてもらえる人を増やすコミュニティづくり
です。まず、SEOとは、検索エンジンの検索結果に適切に表示されるように最適化することですが、自分の名前で検索した時、ちゃんと検索結果の最上位にでてくるでしょうか?また、今の段階で準備すれば、2013年夏の選挙で争点になりそうな項目について、検索した時に、最上位に自分のメッセージがでてくるようにもできるかもしれません。
専門性を生かした情報発信(コンテンツマーケティング)とは、自分の専門性を生かして、読み手の役に立つ情報を自ら発信をしていくことで、自分に話を聞いてくれる人を増やして行くという施策です。最大公約数的に取りまとめられた政策を訴えるだけの候補者はつまらないかもしれません。もっと踏み込んだ個人の視点が入った情報を求めている人はたくさんいます。その人たちに、情報を提供し、信頼してもらい、話を聞いてくれる人を増やすことが、次の政策の話を聞いてもらうことにつながります。
そうして、話を聞いてくれる人をコミュニティに誘って、密度の濃い、コミュニケーションをしながら、そのコミュニティを大きくしていくのが重要だと思います。
この項目については、今年中にできる部分は少ないのですが、年末年始の空いた時間を活かして、すこしづつ検討してみてはいかがでしょうか。
以上、大まかに説明してみましたが、ネット選挙、わくわくしますね。
ネットが投票行動にどのような影響を与えていくのか、これからもウォッチしてきたいと思います。
もし、具体的に話を聞きたいという方がいらっしゃいましたら、お気軽に info@toonline.co.jp までご連絡いただいても大丈夫です。
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