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ロイター、「Twitter速報」を禁止

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今年1月の話ですので、ご記憶の方も多いと思いますが、朝日新聞社がJAL上場廃止をTwitterで速報するという出来事がありました:

JAL上場廃止を朝日新聞がTwitter経由で超速報 【日本航空/日航】 (TABLOG)

この「Twitter速報」の是非については、ネット上で大きな議論となったわけですが、一方海の向こうではロイターがこんな対応をしたそうです:

Reuters to Journalists: Don’t Break News on Twitter (Mashable)

ロイターが発表したソーシャルメディア・ポリシーについて。その中で、わざわざ"Twitter Policy"と特別に切り出す形でTwitterについて言及されており、以下の通り明確に「Twitter速報」を禁じています:

Can I break news via Twitter?

As with blogging within Reuters News, you should make sure that if you have hard news content that it is broken first via the wire. Don’t scoop the wire. NB this does not apply if you are 'retweeting' (re-publishing) someone else's scoop.

Twitterで速報を流しても良いですか?

ロイターニュースにおけるブログと同様、ハードニュース(※政治経済などの「堅い」話題)の場合には、最初に電信で報じること。それより先に情報発信しないように。【注】他人のスクープをリツイートする場合を除く。

ロイターは通信社なわけですから、自社の情報提供サービスよりも先にTwitterで報じることなど言語道断、というのはある意味当然なわけですが。ただTwitterのリアルタイム性が極度に高いことを考えると、「まずは自社ルートで」というのが通用しない場面も考えられるでしょう。その場合にこのポリシーがどこまで適用されるのか、むしろそちらの方が注目かもしれません。

また一方で、ソーシャルメディアは重要な情報源となりつつあります。そしてソーシャルメディア上で情報を得ようと思えば、自らも情報発信者として振る舞わなければなりません。ソーシャルメディアの文化を受け入れつつ、「速報は自社の情報発信ルートで」という姿勢は、果たしてどこまで通用するでしょうか(繰り返しますが、報道社としてそのような姿勢を取らざるを得ないという点は理解できるのですが)。Mashableの記事でも、こんな指摘がされています:

The policy as a whole is a fascinating read and exposes that Reuters, as a media organization, is torn between encouraging employees to use social media and the realization that the online behaviors of their staff put them at risk, a sentiment expressed in the comment that these tools, if misused, could “threaten our hard-earned reputation for independence and freedom from bias or our brand.”

(Twitterに関する部分以外にも)ポリシー全体が非常に興味深いものであり、メディアとしてのロイターが、従業員によるソーシャルメディア活用を進めることと、彼らのオンライン上での振る舞いが自社にとってリスクになりかねないという認識との間で引き裂かれている様が見て取れる。この点は、ソーシャルメディアを誤って使えば「我々が苦労して手に入れた、何者にも依存せず、偏見がないという評価や、我々のブランドを脅威にさらすだろう」というコメントにも現れている。

とのことで、ロイター自身もこのポリシーの限界を感じているのかもしれません。

問題はロイターがどうこうというよりも、インターネットというインフラ、そしてソーシャルメディアというツールの登場により、報道のあり方が根本から変わろうとしている点にあるのでしょう。「Twitter速報」を禁止し、現在のビジネスモデルを守るという姿勢に出るのも一つの答えだとは思いますが、新しい時代に適した新しいアプローチが考えられないだろうかと感じた次第です。

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