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バーチャル住所の時代

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誰かに手紙やプレゼントを贈りたい、しかし住所が分からないので出せない――そんな時代は終わりを迎えつつあるようです。ご存知の方も多いと思いますが、先日こんなサービスがスタートしました:

「mixi年賀状」 住所知らないマイミクに郵送 (ITmedia News)

ミクシィは10月28日、mixiユーザー同士で年賀状を郵送するサービス「ミクシィ年賀状」の受け付けを、11月下旬に始めると発表した。mixiユーザーなら、相手の住所や本名が分からなくても届けることができる。

mixi 上で知り合った友人で、実は本名や住んでいる所といった素性はよく分からない。けど知り合いであることには違いないので年賀状を出したい、という願いを叶えてくれるサービス。しかもネット上での操作で完結するので、これは使ってみたいと感じられた方も多いのではないでしょうか。

また同じようなアイデアで、こんなサービスもスタートしています:

ケータイメールでギフト送信、受け取りはコンビニで――「ソフトバンクギフト」 (ITmedia +D Mobile)

「ソフトバンクギフト」は、ドリンクやお菓子などの“ちょっとしたお礼の品”をケータイメールでプレゼントできるサービス。贈られたプレゼントは近所のコンビニで受け取れる。

こちらは「メールアドレスさえ分かればプレゼントを贈れる」という仕組み。同じくネット上で知り合った人物で素性はよく分からない、けどケータイメールのアドレスだけは知っている、という場合でも贈り物をすることが可能になるわけですね。

リアルではなく、バーチャルな機会や空間が知り合うきっかけとなる時代。お互いにプライバシーを守った状態で、モノのやり取りをしたいというニーズは、今後ますます増えてくるのではないでしょうか。また現代はプライバシーが簡単に破られてしまう時代でもあり、なるべく「住んでいる場所」という貴重な情報は隠しておきたい、という思いも強くなっていくことでしょう。さらに数年ごとに転居を繰り返すような人々(転勤族や大学生など)にとっては、リアル住所は数年ごとに上書き(=知り合い全員に「引っ越しました」ハガキを送る etc.)する必要のある、極めて扱い難い情報です。従って「バーチャル住所」サービスの使い勝手が良くなれば、そちらを他人に伝えるようにしてリアル住所は隠しておく、という人も現れるのではないでしょうか。

仮にそんな傾向が生まれたとすると、先行してサービスを始めた mixi、ソフトバンクがプラットフォーム的な存在になっていくかもしれませんね。また既に住所情報を取得している業者、例えば Amazon などといったEC業者がバーチャル住所サービスを拡充するという方向に進むかもしれません。数年後には、住所を書き込むなどという機会はめっきり減って、ネット上で誰かのIDやメールアドレスを指定する方が主流になったりして?

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