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第3のウェブ

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日本にはPCからアクセスすることを想定されたウェブサイトだけでなく、携帯電話からアクセスする「ケータイウェブ」なるものが存在していることはご存知の通り。しかし最近は「第3のウェブ」が登場し始めているようです:

i.JTB、スマートフォン向けの国内観光情報・割引チケット検索サイトを開設 (Travel Vision)

i.JTBは9月10日、iPhoneなどのスマートフォンや、iPod touchなどのWi-Fiモバイルデバイスからの閲覧に最適化した、国内観光情報・割引チケット検索の新ウェブサイトをオープンする。スマートフォンやWi-Fiモバイルデバイスは、既存の携帯電話より画面が大きく、高速でインターネットに接続するため、解像度の高い画像やパソコンのサイトのように詳しい情報の掲載が可能となる。i.JTBでは具体的に旅行先をイメージできると判断し、これらの端末向けの専用サイトを開発。今後も携帯端末の高機能化にあわせ、国内観光情報・割引チケット検索以外のサービスにも対応していく予定だ。

とのこと。つまりPC向けでも、携帯電話向けでもない、スマートフォン向けの旅行サイトが登場した、と。ちなみに実物が以下からアクセスできますので、ご興味のある方はどうぞ:

JTB スマートフォン向けサイト

JTB以外でも、有名どころでは朝日新聞のスマートフォン向けサイトなどが登場しています。ケータイと同様に、スマートフォンにも「スマートフォンウェブ」とでも呼ぶべき第3のウェブが定着していくのでしょうか。

折しも、au にも「Touch Pro」が登場して全てのキャリアでスマートフォンが登場した、というニュースが出ていました。「スマートフォンウェブ」の流れとの相乗効果が生まれれば、日本でもスマートフォン市場がさらに活気づくことにもつながるかもしれません。また Chrome などウェブアプリケーションが高速で動くブラウザが、モバイル端末にも搭載されるようになれば、SaaS にとっても追い風になるだろうという観測も出ています。スマートフォン端末への注目の高まり、スマートフォンウェブの登場、そしてモバイルブラウザの進化。どれがタマゴでニワトリなのか、という点はさておき、これらの動きが新しいエコシステムを作り上げる可能性は高いように感じます。

しかしそれは逆に、「ガラパゴス」と揶揄される日本独自のシステムを、また1つ増やしてしまう結果になるのかもしれません。それを是として、ビジネスチャンスを追求していくのか、逆にそこには乗らずに世界市場を相手にするのか――本来は「ガラパゴス」を逆に輸出してしまうような、そんな大な戦略があれば良いのでしょうが。

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