中高年はケータイマナーが悪い?
公共の場で着信しても、ケータイが「ピリリリ……」と鳴り出すことを防ぐ「マナーモード」。お馴染みの機能だと思いますが、若い人ほどこの機能を使う傾向が強い、というアンケート結果が出ています:
■ 「1日のほとんどがマナーモード」、若い世代ほど高い傾向に (ITmedia +D モバイル)
ずっと気になっていて書けなかったこの記事。すでにブクマコメント等で指摘されていますが、果たしてこの結果を見て「よく若者がやり玉に挙げられるけど、ケータイマナーは中高年の方が悪いじゃないか!」と言えるのでしょうか。
性別で見ると、「ほとんどマナーモード」と回答したのは、男性が58%、女性が51.1%。年代別に見ると、、若い世代ほど「ほとんどマナーモード」の比率が高く、20代で61.2%、40代で45.1%と、16ポイントの差が見られた。逆に「ほとんど通常モード」としたのは、40代の30.1%が最も高く、20代の倍以上の比率だった。女性より男性のほうが、また世代が低いほど、呼び出し音を気にしていることがうかがえる。
確かに20代と40代を比較してみると、「ほとんど通常モード」と回答した人は20代では14.3%なのに対して、40代では30.1%と、ほぼ倍という結果になっています。40代なら「新しい機械について行けない」という年代でもないですから、マナーモードに設定する方法が分からないという訳でもないでしょう。やはり中高年は呼び出し音が出てもきにしない、ということ?
しかしよく考えてみると、この調査「どちらのモードをより使うか?」という話であって、「公共の場にいる時にマナーモードに設定するか?」という話ではありません。若い人ほど行動的で、電車に乗ってコンサートという場面も多いから、必然的にマナーモードが多くなる……という説明もできるでしょう。あるいは中高年の方が職場や自宅にいる時間が長くなるので、通常モードに設定する時間も長いのだ、とか。
そもそもこの記事、「マナーモード」という言葉がミスリーディングを誘っているような気がします。「『マナー』モードを使わない」などと言われると、まるで傍若無人な人を想像してしまいますが、マナーモードを使わないマナーの守り方もあるはず。例えば電話がかかってきそうな時には、公共の場に出るのではなく飲食店で待つとか、こちらから電話をかけて用事を済ませてしまうとか。そういった「最初から電話に着信がないようにするマナー」を心がけられるのが大人、という解釈だって(難しいけど)できるでしょう。
人は「定説を崩されること」に快感を覚えます。よく見ればあまり大きなことが言えないこの調査結果に、僕も含めて多くの人々が注目したのは、「若者が批判されてるけど、実は大人の方がマナーが悪い」と読めるようなタイトル・内容だからではないでしょうか。データや言葉を自分が読みたいように読んでしまっていないか、常に注意が必要なのでしょうね(自戒を込めて)。