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「政治カラオケ」という発想

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8月27日の朝日新聞「青鉛筆」のコーナーに、こんな記事がありました:

米民主党の党大会が25日に開幕したコロラド州デンバーで、妙な「カラオケ」が流行している。大統領選の立候補予定者になりきり、過去の演説を読み上げるのだ。

音楽の代わりに拍手や歓声が流れるだけだが企画した芸術大学教授のダニエル・ペルツさん(33)は大まじめ。「自分の口で再現すると、政治家の本性がわかるはず」

これは面白い。早速詳しい情報を探したところ、以下の記事を発見しました:

Political karaoke gives new voice to old speeches (9NEWS.com)

この企画、正式名称は"Karaoke Convention '08"(カラオケ党大会08)といって、期間限定でデンバー市内のバー数カ所に設置されているようです。朝日新聞の引用にある通り、今回の米大統領選に関連して各候補者が行ったスピーチが集められ、(歌詞のようにディスプレイに表示された原稿を読むことで)彼らと同じペースで演説を行うというもの。記事ではそのものズバリ「政治カラオケ」という名前が与えられています。

しかし実際、どんな代物なのか……という方、公式サイトにある"Gallery"というコーナーへどうぞ。こちらは「リハーサルしてみたい」「自分の『政治カラオケ』を聴いて欲しい」という人のために、映像を撮影して YouTube にアップ+"karaokeconvention08"というタグを付けると、それをサイト上に掲載してくれるというもの。例えば以下は、京都のキョウコさんが演じている「ニューハンプシャー州で演説するヒラリー候補」です(実は京都にもこの「カラオケ党大会」の出張所があり、いくつかのスピーチが日本語に翻訳されて提供されているとのこと):

なかなか楽しそうですね。しかし単純に楽しいというだけでなく、「意外にこの候補者は『ありがとう』という言葉を多用していたのね」といった発見が楽しめるとのこと。自分の口で演説をなぞることで、演説だけでなく、候補者自身をより深く理解できる効果があるそうです。

大学時代、僕はESS(英語会)に所属していたのですが、フレッシュマンを対象に行われる恒例のイベントで「レシテーション」というものがありました。レシテーションとは著名人のスピーチを暗唱して、英語の(別に英語に限った話ではないのですが)発音を矯正したり、スピーチ力を鍛える活動のこと。僕らが題材として与えられたのは、ケネディ大統領の大統領就任演説で、まるで自分自身がケネディになったかのように"We observe today..."とスピーチしました。すると不思議なもので、ケネディ大統領がどこで力を込めたかったのか、何を訴えたかったかが身をもって理解できるような気になったものです(そんなに偉そうなことを言うと、様々な方々から怒られてしまいそうですが……)。

作曲家の思いが楽譜・演奏を通じて演奏者に伝わるように、スピーチの原稿を自分で口に出してマネしてみることは、意外に価値のある行為なのかもしれませんね。しかし某国の政治家の場合、読み上げて伝わるのは「官僚の想い」だけで、政治家自身の想いは何も伝わって来ないかもしれませんが……。

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