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ブット元首相暗殺とTwitter、ある懸念

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パキスタンでブット元首相が暗殺された事件については、皆さん既にご存じだと思います。このニュースを、今年流行したミニブログサービス「Twitter」はどのように扱ったのでしょうか:

ブット元首相暗殺事件と「Twitter 界」(Polar Bear Blog)

Twitter の速報性は、ブログ以上かもしれない。これまでも多くの方々が指摘されてきた点ですが、実際に今回の事件では、それを実感した方々が多かったようです。確かにブログ以上に手軽で、思ったことを即座に書き込める上に、SNS的なつながりを持つミニブログサービスは「情報が伝播する力」という点で他のメディアを上回っているのでしょう。

しかし、個人的には懸念も感じます。例えばブログでも同じ側面がありますが、情報の信頼性という点。今回のような事件が起きた場合、「○○が犯人だ!」「○○人に注意しろ!」といったような情報が一人歩きして、差別などの問題を生じさせることはないのでしょうか。また、例えば Twitter では「どんな情報が入ってくるか」は「どんな人物とつながっているか」という点に依存しています。デジタル・ディバイドではないですが、量と質の両面で、人々が手にする情報に差が出てしまうのではないでしょうか。

以上のような理由から、ミニブログというメディアの重要度が増せば増すほど、それをサポートする機能/ツールを整備する必要が出てくると考えます。具体的には、コンテンツの質を何らかの形で判断したり、良質な情報を拾い上げたりといった仕組みになるでしょう。こうした整備を行うことに、ビジネスチャンスを見出す企業も出てくるのではないでしょうか。

一方でそういった仕組みが、逆にミニブログの手軽さを失わせるのではないかという問題もあります。いずれにしても、来年はミニブログというメディアにもう一段階の飛躍が起きるのではないか、と想像しています。

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