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『思いつきで動く』

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昨日も書いた通り、先週金曜日はアルファブロガー・アワード2007の結果発表がありました。その一部として行われたのが、デイリーポータルZの林雄司さんによる特別講演。これがアルファブロガー・アワードとの併設ではなく、別のイベントに独立しても良かったほど有意義で、抱腹絶倒(?)な講演でした。『思いつきで動く』というのは、実はそのタイトルだったりします。

詳細な内容がアルファブロガー・アワードの公式ページにありますので、ぜひ一度ご一読下さい:

【イベントレポート】デイリーポータルZの林雄司さんの特別講演 (Alpha Bloggers)

ところで、デイリーポータルZは、プロの編集者などによるサイトと思われる人もいるかもしれませんが、じつはニフティの社員である林さんの個人的発想から生まれ、そして林さん自身が「これは面白いんじゃないかな?」と思った企画で運営され続けているサイトなんです。

ごめんなさい、実は僕もデイリーポータルZには「編集部」的な組織があって、会社のように運営されているのだと思っていました。僕は『死ぬかと思った』で林さんのことを知ったのですが、その頃からずっと「これは面白いんじゃないかな?」という個人的な「思いつき」で様々な企画を生んでいるそうです。その中には大ヒットするものもあり、大コケするものもあり。しかし林さんは「失敗したことはネタだと思って自分のなかで折り合いをつけるとワリと精神的に安心」と述べたうえで、こう仰っています:

で、大きい話をすると、こういう個人の思いつきの瞬発力が一番向いてる媒体はインターネットしかないんじゃないかと思うんですね。

たとえば印刷や出版となると、機械を持ってる出版社とか印刷屋さん、取次さんとか、そういったところとお話をしなくちゃならなくて、僕みたいに気の弱い人間は、そこでへこたれてしまうわけですよね。

(中略)

こうした話をするとですね。インターネットは「とりあえずの媒体」ではないかと。最後にブログの話につなげると、個人の思い付きがうっかり影響力をもってしまう、奇跡みたいなツールじゃないかなと思います。

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ネットは「思いつき」というレベルで動けて、しかもそれが大きな影響力を持つ可能性がある。だからあれこれ悩まずに、とりあえず動いてみたら――というアドバイスであるように僕には感じました。

考えてみれば、僕がいま書いているブログだって、新聞や雑誌の時代なら絶対に表に出ることはなかったでしょう。テーマが統一されていない上に、掘り下げ方も浅い。しかしネットが「思いつき」を可能にする場であるおかげで、こうして様々なことを書くことができるわけです。その中に、たまたま多くの人々に「なるほど」と思っていただけるような、あるいは「これは違うだろ」と思われてしまうような思いつきが浮かんで、それが影響力を持ってしまう――そんなことが、数多くのブログで起きているわけですよね。

そんな時代ならば、思いつきで動いて、どんどんネットで発信していかなければ損。「面白い」「つまらない」は自分で決めるのではなく、とりあえずまな板の上に置いて皆に決めてもらう。そんな態度で臨むのが、ネットとの正しい付き合い方かもしれませんね。とにかくこの話を聞かせていただいた林さんと、講演を実現していただいたアルファブロガー・アワード運営サイドの皆さんに感謝です。

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