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自分にしか書けないブログ

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昨夜はアルファブロガー・アワード2007の結果発表会に参加してきました。正直「今年もアルファブロガーかぁ」という思いもあったのですが、ITmedia の記事などで主催側の思いが聞けたこともあり、見に行ってみることに。結果は、久しぶりに(?)ブログに関するポジティブな意見や熱意に触れることができて、お世辞抜きで有意義な時間を過ごすことができました。

個人的には、スパムを除くあらゆるブログに価値があると考えています。たとえ自分自身のために綴っているブログであっても、それによって自分が何かしらの価値を得ているのなら、かけがえのない存在であることは間違いないでしょう。その中で、あえて良質なブログとして「多くの人々を惹きつけるブログ」を選ぶとしたら、それはどんな特徴を持つのでしょうか。

今回アルファブロガーとして表彰/ノミネートされたブログを見て、僕はそれが「その人にしか書けないブログ」ばかりであるように感じました。法律の専門知識が披露されるブログ、軽妙な語り口が魅力のブログ、また地元の問題に真っ向から取り組むブログ、などなど……。彼らを見て「あれがアルファブログか、ああいった内容を書けばいいんだな」と思って真似しても、決してアルファブロガーになることはできないでしょう。それは別に、専門知識や特殊な性格が必要だからというわけではありません。知識云々だけでなく、ブロガー自身が言いたいことを語る、あるいはブロガー自身の言葉で語るということが重要なのではないかと思います。

例えば僕がアルファブロガー入りを狙って、「西表島の環境問題に取り組むブログ」を立ち上げたらどうでしょうか。極端な例ですが、当然ながら僕の書く文章は表層的なものになり(西表島は大好きな島ですが)、読者を惹きつけることはできないでしょう。また結局興味が続かなくなり、僕自身が更新をツライと感じるようになるはずです。そのブログが「本物」かどうか、読んでいればすぐに分かりますから、ツライと感じながら書いたブログからはさらに人々が去っていくことになります。

逆にPCなんて得意じゃないという人でも、自分の興味があること、長年打ち込んできたことを語ったらどうなるか。これは今回選出されたブログを読んでいただくのが一番ですが、以前ご紹介した例ではこんなブログもあります:

Dad's Tomato Garden Journal

トマト農家の Ray White さん、現在94歳のおじいちゃんが書かれているブログ。その名の通りトマト栽培に関するもので、シーズンになると世界中から質問が寄せられるのだそうです。トマトで「アルファブロガー」になるなんて、普通なら思いつきもしませんよね。

人々がある人の文章を読みたいと思うとき、その文章にしかない価値を感じているのではないでしょうか。それは専門知識かもしれないし、何かに対する熱意かもしれないし、自分と同じ視点を持っているという共感かもしれません。いずれにしても、他人の文章を読んでも同じなのであれば、人々はそちらに流れてしまうだけです。であれば、自分を出すというのが「アルファ」への唯一の道なのではないかと思います。

とはいえ、その「自分にしか書けない何か」を出すのが難しいのですが……。これはもう、探し続けるしかありませんね。別にアルファブロガーを目指せ!と言うつもりではないのですが、PCに向かって一番最初に「これが書きたい!」と思ったテーマに没頭してみる、というのが良いのかもしれません。

毎日jp さんで記事が出てました。早い!

ブログ:「アルファブロガー・アワード2007」に15人を選出 (毎日jp)

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