失敗がズンバを生む
懲りずにダイエットネタです。例のキャンプのブームも一段落して、世間は「第2のビリー・ブランクス」探しにやっきになっていますが、先月17日の日経MJで「ビリーの次」「日本上陸間近」といったキーワードと共に「ズンバ(Zumba)」というフィットネスが紹介されていました。
この「ズンバ」、日本語で紹介しているページがほとんどないので、MJでの解説をまとめてみます:
- 通常のビート音楽ではなく、ラテン音楽のリズムに合わせてフィットネスする「ラテン系エアロビクス」。
- クラスは1コマ60分で、最初の20分はウォームアップ。十分に体が温まったら、音楽の音量を上げて残り40分間を踊りまくる。
- 1曲の長さが最長5分に編集されており、飽きたり疲れたりする前に、曲調が次々変化するようになっている。
- またリズムに緩急がつくようにプレイリストが工夫されていて、カロリーを効率的に消費できるようになっている(同じ時間をジョギングするよりも多くのカロリーを消費できる、とのこと)。
- 「普通のエアロビが上達してもディスコでは踊れないが、ズンバをマスターすればいつでもかっこよく踊れる」という実用性(?)も。
とのこと。今年8月中旬にカナダで行われた「フィットネス見本市」(そんなイベントがあるのですね)では、業界関係者200人が駆けつけ、会場はロックコンサートのような熱気に包まれたとのこと。ビリーのキャンプが「軍隊」「厳しい」というキーワードで示されるとすれば、ズンバは「ラテン系」「楽しい」といったところで、ちょうど好対照ですね。首尾よく日本上陸を果たせば、ビリーの反動でヒットするかもしれません(ちなみに東京と大阪でインストラクター養成が始まったとのこと)。
で、この記事で面白かったのはズンバ誕生のいきさつ。ズンバを始めたのはコロンビア出身のスポーツインストラクター、ビート・ペレスさんという方なのですが、ある日エアロビクス用の音楽テープを忘れてしまい、仕方なく自分の車にあったラテン音楽のテープで代用したそうです。ところが、そのテープを使ったダンスが大ウケ。で、普通のテープをやめて、ラテン音楽を使うフィットネスに専念し始めたのが「ズンバ」につながったのだそうです。
もしテープを忘れたときに、「今日はテープがないので、エアロビクスは中止しよう」とか「他のインストラクターが持っているテープを借りよう」と考えていたら、新しいフィットネスは誕生しなかったでしょう。そう考えると、忘れ物をしたときは「今日は仕方ない、次から忘れ物しないようにしよう」と反省するのではなく、「それ無しで同じ効果、もしくはそれ以上の効果が得られる代替品/代替案はないか」と試みた方が良いかもしれませんね。
何を隠そう、僕は忘れ物の数では誰にも負けない自信があります(威張って言える話ではないですが)。海外旅行に行くときに、パスポートを忘れたことが何と2回もあります(だから威張るなって……)。さすがにパスポートの代用品は見つけられませんが、これから何か忘れ物をしたときは、「新しいビジネスを生むチャンス!」と捉えてみようと思います。