迷惑メールに気を取られていると……
いわゆる「迷惑メール」の規制強化に、総務省が乗り出すそうです:
■ 迷惑メール、規制強化へ 承諾ないもの一律禁止 総務省 (asahi.com)
記事によれば、総務省は「受信者の承諾のない送信を一律禁止する方針で、特定電子メール送信適正化法(迷惑メール規制法)の改正案を来年の通常国会に提出する考え」だそうです。ネットでは「実効性があるの?」という疑問の声が大きいようですが、まぁやらないよりはマシでしょう(スパムの線引きが難しいという話もありますが)。また一罰百戒ではありませんが、スパム業者全員を捕まえることは無理でも、取り締まるポーズを見せることで行動を抑制することができるかもしれないですし。
しかし個人的には、以前も書きましたが、迷惑メールよりもスパムトラックバック/スパムコメントの方を何とかして欲しいと思います。迷惑メールについてはメールクライアントのフィルタリング機能で、ほとんどブロックできているんですよね。なので最近は「迷惑メールフォルダ」の中身を見ずに一括削除、でほとんど問題ありません。ところがそれに反比例するようにスパムトラックバック/スパムコメントが増えてしまい、削除するのにけっこう時間がかかります。間違えてスパムでないトラックバックやコメントを削除してしまった!なんてこともあったり。
実際、いま注意すべきはメール以外のスパム行為ではないでしょうか。「今でも迷惑メールに困っているよ!」という方には申し訳ないのですが(迷惑メールは無視しても良い、ということではありません)、メールで行動を規制された業者たちが、規制の弱い(というよりほとんど法的規制のない)ブログの世界に流れてきているという面もあると思います。またメールはメールでもSNS内のメッセージ機能や、SNS的要素を持ったゲーム/コミュニティサイトのコメント/メッセージ機能、掲示板機能などの分野はどうでしょうか?ソーシャルブックマークでのスパム行為(ダミーのアカウントで大量のブックマークを貼り、違法サイトに誘導する)については?……もはや危険なのは、「電子メール」だけではありません。
日進月歩のウェブの世界に、公的機関による規制を期待することがそもそも間違っているのかもしれませんが。総務省の方々には、ぜひメールだけでなく、いまウェブ全体でどのような迷惑行為が行われているかに注目していただきたいと思います。