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ITmedia 読者よ、賃貸経営をめざせ

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ITmedia さんより、書評用の本をいただきました。今回の本は『空室ゼロの「プレミアム物件」を作り出す!勝ち組賃貸経営術』。いつから小林は大家になったんだ?と思われてしまうかもしれませんが、たまには畑違いの知識を得るのも良いもの。ということで読み始めたのですが、意外や意外、賃貸経営と良いウェブサービスとの共通点を見出すこととなりました。

いくつか気づいた箇所を挙げていきましょう。例えばこんな一文があります:

しかし皆さんは、すでに私が結論をさらっと言ってしまったことにお気づきでしょうか?実は第3章で私はこう言っています。

「そもそも、新規に投資することもなく、信頼できる入居者に長く住んでもらえればそれに越したことはないのですから、まずは退去者を出さないことを心がけましょう」と。

そうなんです。今住んでいる入居者が出て行かなければ、原状回復工事もリフォームも、入居募集のために頭を悩ます必要もないんです。

これはまさしく、ユーザーのリテンションということですよね。獲得したユーザーを大切にする、というのは当たり前の話ですが、特に個人の賃貸経営者は「貸してやる」意識が強くて入居者のニーズには無頓着なのだとか(思い当たるフシがないですか?)。この本は他でも、ユーザー(入居者)と頻繁にコミュニケーションを取ることを勧めています。また、こんな話も:

最近、人気が急激に落ちているのがカーペットです。(中略)

しかし、木造のアパートなどでは遮音のために、カーペットを使用しなくてはならない物件もあります。そうした場合は、まず事情を納得してもらい、好きな色や柄を選んでもうらう「参加型」にすれば、入居者のココロを動かすことができるのではないでしょうか。

これはまさしくWEB2……以下は省略するとして、さらにこんな箇所もあります:

以上のように、狭小ワンルームにおいては、壁面を活かした「魅せる(見せる)収納」によって、入居者自身が自分のスタイルを演出することができます。そうした自分らしさを表現できる居住空間では、部屋への愛着がよりいっそう強まるでしょう。ひいては、入居者が退出しにくくなるという効果も期待できるはずです。

アメリカで後発SNSだった MySpace がトップの座を奪えた一因は、ユーザーにマイページを自由にカスタマイズさせることで、まさしく「自分の空間(マイ・スペース)」として愛着を湧かせることに成功したからだと言われています。意外にSNS経営と賃貸経営は近い存在なのかも。

他にも「これってウェブで言うところの○○に似てない?」と感じる点が随所にありました。ということで、日ごろから優れたウェブサービスに触れている ITmedia 読者の方々は、賃貸経営で良い結果を出せるかもしれませんよ。この本を読んで、まずは「自分の部屋を貸し出すとしたらどうするだろう?」と考えることからチャレンジしてみては!?

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