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ある患者の経験

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先週は病気で3日間もお休みしてしまったわけですが、実はこの間で2つの病院に行きました。といっても複数の病気に罹っていたわけではなく、最初の病院でもらった薬がイマイチだったので、別の病院で診てもらおうということになったためです。結果的に、2つ目の病院で出された薬が大ヒット。劇的に効いて、体がラクになりました。

こんなこと言うのも恨みがましいですが、最初の病院は本当にダメでした。もう診てもらえるかどうか電話で聞いたところ、「大丈夫」との返事だったので早速出かけたら、「先生が外出中」とのことでずーっと待つはめに。熱があって辛いのに、薄暗い待合スペースで、1時間近く長椅子に座らせられることとなってしまいました。今思えば、あれも回復が遅れた一因だったのかも……。

2つ目の病院は一転して、患者さんへの配慮に溢れていました。受付をしてすぐに「熱があるようでしたら、横になって待てるところをご案内しましょうか?」と聞かれ(最初の病院でも熱があることは受付の人に言ったのに!)、横になれるスペースを使わせてもらえることに。そこは細長い空間で、簡易ベッドと毛布があり、退屈しないようにテレビとヘッドフォンまで付いているではないですか。同じようなスペースが3つ用意されていて、具合の悪い人は寝ながら順番待ちができるようになっています。内容も明るくキレイで、待ち時間がまったく苦になりませんでした。(蛇足ですが、診察室には iPod とそれに接続するステレオがあったことも記しておきます。)

最近、病院で「患者様」という表現を使うことは是か非かという記事がありました:

「患者様」ちょっと違和感 「患者さん」に戻す病院も (asahi.com)

僕個人は「患者様」でも違和感を感じないですし、日本語の文法としておかしいなら別の表現を考えれば良いだけの話ではないかと思うのですが、瑣末な部分にとらわれ過ぎではないでしょうか。記事で指摘されているように、「もともと患者の立場を尊重した医療の実現などを意識して使われ始めた言葉」なのですから、それが実現できるのであれば使う言葉は何だって良いでしょう。しかし残念ながら、僕が経験したように、病院が患者を尊重しているところばかりでないことは明らかです。「なぜその言葉が使われるようになったのか」が、もう少しクローズアップされると良いのですが。

とはいえ、「患者」という状態はあくまでも一時的なものです。「お客様視点で考える」ということ以上に、「患者様視点で考える」ということは難しいのかもしれません。だからと言って、39度の高熱にうなされながら、古い『週刊朝日』しか置いていない待合室で1時間も待つ -- などという体験は勘弁して欲しいですが。

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