歌詞カードもバラ売りしては?
もはやCDは「中高年」のためのメディアに -- そんな時代を予感させる記事が、昨日の ITmedia News に掲載されていました:
■ 「着うた」高校生は半年に20曲以上 CDは“中高年市場”に (ITmedia News)
日本レコード協会が実施した調査結果について。首都圏に住む男女を対象としたデータとのことで、どこまで正確に実態を反映しているかどうかは議論の余地がありますが、若年層にダウンロードによる楽曲購入が浸透しつつあることを示す結果となっています。一方のCD販売はというと、記事タイトルにもなっている通り「中高年層のマーケットシェアが高まっている」とのこと。
ただしここまでなら、「予想されていた未来が現実のものになりつつある」という感じで、大した驚きもないかもしれません。面白いのは調査結果の細部。例えば「インターネット有料音楽配信を利用した中で不満な点」という項目では、こんな結果が出ています:
- 有料音楽配信を利用する中での不満点は、CDジャケット、歌詞カードがないが38.4%で最多。
- CDジャケット、歌詞カードがないを不満に挙げる人は30代男性において特に多い。
- ちなみに30代男性で「有料音楽配信サービスを利用したことはない」と回答したのは73.4%(男性全体では63.5%)。
意外にも「ジャケット・歌詞カードがない」を不満に挙げる人が多いのですね。2位「値段が高い」は28.6%ですので、10ポイント近く引き離しての第1位。確かに僕も30代男性のせいか(?)、ダウンロードした曲を聴いていると「歌詞カードが見たいなぁ」と思うときがあります(ネットで調べれば済む話なのですが)。またジャケットはレコードの時代からアートとして成立しているものですし、それが手にできないことを不満に思う気持ちは不思議ではありません。
そこで思ったのですが、音楽もバラ売りする時代なら、歌詞カードもバラ売りしてしまってはどうでしょうか。歌詞カードといってもペラペラの紙切れではなく、アルバム単位などいくつかの楽曲の歌詞を集めたもの+ライナーノーツ的解説+ジャケットを模した装丁、で1冊の本にする感じ。価格は税込700円程度で、イメージ的には映画のパンフレットのようなもの。個人的には、そんなものがあればすぐにでも購入したい曲/アルバム(の本)がいくつかあるのですが……。
まあそんな冊子も、いずれは全てデジタル化されてしまうのかもしれませんが。レコードやCDといった、フィジカルなメディアで音楽を所有する世代が主流派である限りは、こんな「過渡期のサービス」をいろいろと考えることができるのかもしれません。