我々はどこへ行くのか?
画家ポール・ゴーギャンの作品に、「われわれは何処から来たのか、われわれは何者か、われわれは何処にいくのか」という絵があります。タイトルの通り「私たちは何か」をテーマにした作品で、右から左に向かって誕生・青年期・死を象徴しているのだとか。ボストン美術館に所蔵されていて(門外不出に近い扱いなのだそう)、留学中に何度も見に行きました。
最近、YouTube にアップされたあるビデオを見て、なぜかこの絵のことを思い出しました。Polar Bear Blog でも紹介したのですが、カンザス州立大学で文化人類学を教えている Michael Wesch 助教授が作成されたビデオです:
紙に書かれたテキストから始まり、ハイパーテキスト、WEBサイト、そして WEB2.0 までを5分間で網羅したもの。様々なテキストが軽やかに画面を過ぎてゆく様子がカッコよく、とても大学教授の方が作ったとは思えないほど。内容もよくまとまっていて、(ネイティブスピーカーでない我々にはちょっと早いのですが)WEB2.0 に至る流れを再認識することができます。
作品の終わりに、こんなメッセージが登場します:
We'll need to rethink a few things ... copyright ... authorship ... identity ... ethics ... aesthetics ... rhetorics ... governance ... privacy ... commerce ... love ... family ... ourselves.
いくつか、考え直さなければならないことが出てくるだろう。著作権、著作者という概念、アイデンティティ、倫理観、美的感覚、レトリック、ガバナンス、プライバシー、商業、愛、家族、私たち自身。
技術の変化があまりにも早いため、私たちの目はそちらに釘付けになりがちです。しかしこのメッセージが指摘している通り、それを使いこなす人間の方にも大きな変化が生まれることでしょう。WEB2.0時代を迎え、「私たちは何か?どこへ向かうのか?」をもっと意識する必要があるのかもしれませんね。