CGMはどこまで進むのか?
週末なので簡単に。最近楽しみに読んでいるブログ"we make money not art"の中で、ちょっと変わった商売についてのエントリがありました:
■ A "specialty store for forgotten private photographs" (we make money not art)
紹介されているのは"Fotohek"というお店。個人が自分のために撮った写真(家族写真やセルフ・ポートレートなど)をフリーマーケット、オークションサイトなどを通じて収集し、展示・販売するというビジネスだそうです。残念ながら公式サイトはドイツ語だけなので、詳しい内容は分からないのですが、画像を見る限り古い年代の写真を中心にコレクションしているようですね。
このサービス、ある意味 Flickr などと同じ CGM の一種として捉えることができるのではないでしょうか。コンテンツを共有させるのが作成者本人か、あるいはそれを購入した他人なのかという違いはありますが(さらにその合法性・論理性についても議論の余地があると思いますが)、見ず知らずの他人がつくったコンテンツを楽しむという点では一緒です。しかも写真の一部は公式サイト上にアップされていますし。
Fotohek に違和感を感じるのは、流通されるのがごく個人的な写真であるからでしょう。おそらく撮影者は自分や自分の家族が楽しむために撮影したのであり、赤の他人の手に渡ることなど想像もしていなかったはずです。しかしこのアイデアが(少なくとも今のところ)ビジネスとして成立しているということは、「個人的な価値しかないはずの写真に他人が価値を見出す」という現象が起きていることを示していると思います。もしかしたら、CGMというものは私たちが想像する以上の広がりを持っているのではないでしょうか。
純粋に気に入ったから、二つとないオリジナルなものを探しているから、研究用に使いたいから、などなど……様々な理由から、これまで人知れず捨てられるだけだった「個人のコンテンツ」が発掘され、注目される現象が、まだまだ深く広がっていくのかもしれません。