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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

エンターテイメントとしてのカスタマイゼーション

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POLAR BEAR BLOG でも書いたのですが、最近ウチの近くにある COCOS が改装され、ドリンクバーがリニューアルされました。お茶のコーナーにはティーバッグではなく、こんな風に茶葉が入ったガラス瓶(15種類+季節代わり品1種類)が用意されていて、自分でポットに茶葉を入れる仕組みになっています:

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この仕組みで面白いのは、様々な茶葉をブレンドして自分だけのお茶を入れられるという点。「リラックスできるお茶」+「コレステロールが落ちるお茶」を組み合わせてみたり、紅茶に木苺の香りをつけてみるなど、様々なカスタマイズを楽しむことができます。「次はあの組み合わせを試してみよう」という気になって、お腹いっぱいなのにドリンクコーナーに向かってしまうほど。

話は変わって、今朝の日経流通新聞に、フェラガモの日本法人がパターンオーダーを始めるというニュースが載っていました。フェラガモがパターンオーダーを行うのは世界で始めてとのこと:

■ 「あなただけのバッグを」 -- フェラガモ、パターンオーダー開始(日経流通新聞 2006年7月3日)

7月11日まで2週間の予定で、新宿の伊勢丹本店で受付中だそうです。デザイン5種類、素材約60種類から好みの組み合わせが選べ、既製品にはないピンクや紫、光沢のある金や銀の革を使って「あなただけのバッグ」を作れるとのこと(ちなみに価格は既製品より2割ほど高いのだとか)。

ある製品/サービスをカスタマイズ可能にすることについては、様々な目的があるでしょう。細かいニーズに対応する・「世界に1つしかない」というプレミアム感を演出する・「作る」というプロセスに参加させることでオーナーシップを芽生えさせる --- などなど。こういった「結果としての価値」を生み出すことの他に、カスタマイズは実行すること自体が楽しいという「プロセスの価値」を生む場合があるのではないでしょうか。旅行は行っている最中よりも、行く前(ガイドブックなどで情報収集して、あれこれ計画をたてること)の方が楽しい、というのと同じ感覚です。例えばアメリカの若者の間で大流行しているSNSサービス"MySpace"でも、「自分のページをあれこれレイアウトして作り上げてゆく」プロセスの楽しさが人気の一因ではないかという分析があります。

実は MySpace のカスタマイズ、僕はかったるくてギブアップした人なのですが、他のユーザーのページをのぞいてみると「まぁよくここまで作り上げたな」というものが多いです。カスタマイズを苦痛と捉えるか、楽しみと捉えるかは人によって大きく異なるのかもしれません。そう考えると、ちょっとした部分をカスタマイズ可能にしておくことが、意外な人気を呼ぶ結果につながる場合があるのではないでしょうか。

特にソフト/アプリケーションの場合、カスタマイズの要素(色やパーツ、レイアウトなど)をストックしておくことにはコストがかかりませんから、実用以上の選択肢を用意しておいても面白いのでは。それが「何度も・何種類も楽しめるエンターテイメントとしてのカスタマイゼーション」という効果を呼んで、僕のように「お腹いっぱいだけどついアクセスしてしまう」という人を生むかもしれません。

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