子供の安全 -- ガジェットを越えて
最近、子供が犠牲者になる嫌な事件が増えています。ここに挙げるまでもないので省略しますが、子供をとりまく環境は年々悪化しているのではないでしょうか。それに反応してか、IT技術を使った防犯グッズがこのところ増えているように思います。
例えばドコモは「子どもへの配慮と保護」をコンセプトにした携帯電話「キッズケータイ」を発表しています:
■ ドコモ、GPSで「子供を守る」携帯SA800iを発表(ITmedia +D)
■ キッズケータイ「SA800i」は子供の“お守り”(ITmedia +D)
詳細は記事を見ていただくこととして、子供の防犯に焦点を置いたさまざまな機能が搭載されています。一方、当然のことですが、こうした「防犯携帯」を子供に持たせたいという親が多いという調査報告も出ています:
■ 「子どもに防犯携帯を持たせたい」と考える親は64%(ITmediaビジネスモバイル)
しかし残念なことに、こうしたガジェットを持たせただけでは安心はできません。犯罪者も学習していますから、防犯グッズを無効化して犯罪を犯すようになっています。実際、最近起きたある事件では、防犯ブザーを持っていた子供が犠牲になっていました。単なる仕掛け以上の防犯を行うには、何をすれば良いのでしょうか。
先月の2月7日、セコムが「セコムと話そう子供の防犯ブログ」というサイトをスタートさせました。タイトル通り、子供の安全に関連する情報を取り扱うブログです。実際読んでいただければ分かると思いますが、単なる企業のアピールではなく、すぐ行動に結び付けられそうな防犯情報が満載のブログとなっています。僕は「ハインリッヒの法則」を取り上げたエントリや「親子で楽しみながら防犯シュミレーション」シリーズなどを読んで、「なるほど!」と関心させられました。
セコムのブログを読んで感じることは、ガジェットだけではなく知識も重要だということです。これまで子供の安全に対する企業の取り組みは、「防犯ブザー」といったグッズを開発/改良することに力が注がれてきました。しかしブログというある意味簡単な仕組みが、防犯に高い効果をもたらそうとしていることに、もっと注目が集まって欲しいと思います。セコムのように「ソフト面」から防犯にアプローチする企業が増えると良いのですが。
現在「セコムと話そう子供の防犯ブログ」では、トラックバックブログのみ受付となっていますが、コメントやアンケートなどを活用する考えがあるとのことです(日経産業新聞の2006年3月10日第2面に詳しい記事が掲載されています)。今後ブロガーとのコミュニケーションを通じて、より価値のあるサイトになっていくでしょう。ビジネスブログはすでに目新しいものではなくなりましたが、コンテンツ次第でまだまだ新しい価値を生み出すことができるということも、セコムのブログは示していると思います。