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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

ほんとうの絹豆腐

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絹ごし豆腐のことではなくて、本当に絹が入っている豆腐。食べたことあります?

日本の絹産業について興味がわき、以来、社団法人日本絹業協会が発行しているメルマガ月刊シルクニュースを購読している。その8月号が面白かったので、ここで紹介。

 5、「いろどり繭」による新規用途開発」
 埼玉県農林総合研究センター 病害虫防除技術担当
               担当部長 近 達也氏

「いろどり繭」は、セリシンに桑葉由来の淡い黄緑色の色素フラボノールを含んでいるということにより、チロシナーゼ阻害活性があり、その機能を利用し石鹸や化粧品を開発しました。さらに、そのセリシンに血糖値を低下させる作用や血圧降下作用、脂肪分解酵素リパーゼの活性を高める機能も認められたので、健康食品や豆腐、洋菓子などの開発を行っています。
 また、秩父地方では「いろどり繭」をつかった角真綿の生産を行い、寝具や衣料へ面での製品開発も合わせて進めています。
 これらは演者自らが手がけたものであり、軽快な話術とともに説得力のある内容でした。お豆腐は、本当の絹が入っているので「ほんとうの絹豆腐」と命名したそうです。

石油を原料とする人絹ではなく、「天」の「虫」蚕が桑の葉を食べて生成する絹。世界の最先端をいく日本の養蚕技術が、繊維だけでなく医療や健康食品に応用され、産業として再度繁栄する...ことになれば、なんて素敵。

ちなみに、この記事には、以前紹介したスパイダーシルクに関しても触れていたので、抜粋します。

7、「クモ遺伝子によるスパイダーシルクの開発と製品化」
 信州大学繊維学部 教授中垣雅雄氏

 一匹のクモが吐く糸には7種のものがあり、特に縦糸は強度が高く、鋼鉄の5倍、ケブラー(防弾チョッキ等に利用)の3倍もの強靱性があると言われています。このクモ糸タンパク質の遺伝子をカイコに導入することにより、強靱なシルクができるのではないかとの目的で研究が進められています。 
 その結果、クモ糸の成分を約10%含む絹糸「スパイダーシルク」の開発に成功し、靴下メーカー「岡本株式会社」と共同で靴下の試作を行いました。
 「スパイダーシルク」の強度や伸度には、まだデータのばらつきがあるようですが、夢の繊維が出来上がるのもそう遠くないことが期待される講演でした。

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