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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

セミナーの評価を考える

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声をかけてもらえるうちが花、とばかりに、ビジネスを目的としていることが自明であってスケジュールに都合がつく限り、講演・説明会・営業支援などの要望はできるだけ受けるようにしている。当然の事ながら全く同じ内容のものを同じように話すことを求められることも時にはあるのだけれど、そうであったとしても話の出来(要するに自己評価)が同一になることはい。エピソード的なネタも話しておけばよかったとか、どうも滑らかな語り口ではなかったとか、時間配分がうまくなかったとか、自己評価の内容は様々である。曲がりなりにも社内でエバンジェリストを名乗っている以上、常に満足してもらえる語りをしたいのはやまやまではあるが、自分なりに満足のいくレベルに達することは残念ながら滅多にないのも事実である。

マーケティング部門が主導するセミナーなどでは、必ずと言っていいほど各セッションの満足度を問うアンケートが実施される。良く理解できたか、とか、セミナーそのものに満足だったか、といったあたりが主な質問項目であり、5段階でセミナー参加者に評価してもらう。各段階には5なら100、4なら75という具合に数値的な重み付けが定義されているので、全参加者の平均として単一指標値に置き換えることが可能である。その結果が担当講師に知らされると、その値の良し悪しに思わず一喜一憂したりしてしまう、というわけだ。僕自身も結果としての数値とか、コメントは謙虚に受け止めるよう心がけているのであるが、評点が高かったからと言って、必ずしも良いセミナーであったとは言い切れないようである。

予め想定していたセミナー参加者プロフィールと実際の参加者との間にずれがあった場合とか、全般的に評点が高目に出てくる地域性があるとか、状況は様々であろう。セミナーの目的が明確だったならば、単純にそれの達成度を見ればよい。ならば、製品の認知度を高める、などといったように抽象的な目的を掲げている場合はどうしよう。僕個人的には、セミナーのリピート・オーダーが入るかどうかが尺度の一つになると考えている。要するにセミナー参加者が帰社した後に、自社の同僚・部下などに同じ話を是非聞かせたい、と感じてくれるかどうか、すなわちいささかの面倒も省みずに社内向けセミナーの実施・運営に労力を割いても良いと考えるかどうか、が目安の一つになるだろうというわけだ。

あと手間がかかることではあるが、セミナー実施から数ヶ月の時間をおいて、改めてアンケートをとるのもセミナーの効果を測定するのに良い方法なのではないかと思っている。それだけの時間が経過してもなお参加者の頭の中に何かが残っていれば、セミナーはアタリだったというわけだ。以前実験的に新製品のセミナーを実施して4ヶ月ほど経過してからアンケートをとってみたことがある。セミナーの雰囲気とかその場の勢いみたいのが綺麗にそぎ落とされていて、直後に実施したアンケート結果とは歴然とした違いがあったのである。

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