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地域における新たな通信技術等の活用の可能性

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総務省は2024年4月24日、「活力ある地域社会の実現に向けた情報通信基盤と利活用の在り方に関する懇談会(第6回)」を開催しました。

この「地域におけるデジタル技術の利活用を支えるデジタル基盤の利用環境の在り方ワーキンググループ」とりまとめ報告から、地域におけるデジタル技術、新たな通信技術等の活用に向けて取り上げたいと思います。

本WGでは、

(1)デジタルを活用した地域課題解決のユースケースごとに求められる非居住地域を中心とした利用環境整備の在り方
(2)地域におけるデジタル技術の利活用を支えるデジタル基盤の利用環境の実態を踏まえた利用者端末を含むエンド・ツー・エンドの利用環境整備の方向性
(3)地域におけるデジタル技術の利活用を支えるデジタル基盤を含む利用環境の維持・更改の方向性

等について、議論・検討を行っています。

多くの地域が通信設備の老朽化等に直面しており、維持管理に関する課題を感じている。また、通信ネットワークの容量・スペック不足等により、デジタル技術の実装が進まない事例がある。

他方で、オール光ネットワークや非地上系ネットワーク等の新しい通信技術も実用化が進められており、これら新たな通信技術がこれまで解決できなかった地域課題を解決する可能性がある。

また、単にシステムと端末とを繋ぐだけではなく、データ連携基盤やAI、メタバース・デジタルツイン・XR等の共通機能を活用することで先進的なソリューションを実現する事例が出てきています。

オール光ネットワークでの実用例では、医療ロボットと連携した遠隔でのリアルタイム手術、建設機械の遠隔操作や作業現場のモニタリング、eスポーツでの活用を挙げています。

また、HAPSでは航空機への大容量通信、広域IoTを活用した森林や農地での一次産業利用•、災害現場におけるドローンを活用した遠隔制御や映像伝送を挙げています。

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出典:総務省 活力ある地域社会の実現に向けた情報通信基盤と利活用の在り方に関する懇談会(第6回) 2024.4.24

本WGでは、低遅延、大容量及び低消費電力を実現するオール光ネットワークや、山岳部や離島等の条件不利地域で安定したインターネット環境の構築が可能となるHAPS等非地上系ネットワーク(NTN)の新たな通信技術が、これまで解決できなかった地域課題を解決する可能性があるとしています。

このような新たな通信技術の地域における実装も見据えつつ、IXやデータセンター等の地方分散等も含む新たなインフラコンセプトについて、引き続き、検討を進めるべきであるとしています。

スクリーンショット 2024-04-27 15.19.33.png

新たな通信技術等の活用策の検討
出典:総務省 活力ある地域社会の実現に向けた情報通信基盤と利活用の在り方に関する懇談会(第6回) 2024.4.24

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